Mazzei Fonterutoli
マッツェイ・フォンテルートリ
イタリア:トスカーナ
6世紀、24代に渡りワイン造りを家業とするキャンティ・クラシコの名門
12世紀からワイン造りを行っていたマッツェイ家がカステッロ・ディ・フォンテルートリを取得したのは1435年。現在は、フィリッポ マッツェイ氏とフランチェスコ・マッツェイ氏の兄弟が24代目当主として歴史あるワイナリーを経営しています。
今では、よく知られている「キャンティ」というワインの名ですが、これは1398年にラポ・マッツェイ氏が最初に”wine of Chianti”という言葉を公の文書に使用し記録に残したのが由来といわれています。また、18世紀にはフィリップ・マッツェイ氏が後にアメリカ大統領となるトーマス・ジェファーソン氏の依頼により、ヴァージニア州にブドウの木を植樹し、アメリカ大陸最初のブドウ畑を作ったという歴史を持つ生産者です。
マッツェイ家は1997年にトスカーナのマレンマに「テヌータ・ディ・ベルグァルド」を、2003年にはシチリアの南東部に「ジゾラ」と新しいワイナリーを2つ設立。それぞれのテロワールとミクロクリマに適した土着品種の特徴を表現した、魅力的なワインを生み出しています。
カステッリーナ・イン・キャンティに約650haの土地を所有し、その内117haで栽培が行われています。ブドウ畑は大きく「Belvedere」「Caggio」「Fonterutoli」「Le Ripe」「Siepi」の5つのエリアに分かれており、それをさらに120の区画に分けて個別に管理し、各テロワールに適したクローンや品種が植えられています。栽培しているブドウ品種はサンジョヴェーゼ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルヴァジア・ネーラ、コロリーノなどで、なかでも、サンジョヴェーゼは40年に渡り、マサルセレクションとクローンセレクションの研究を重ねてきました。結果、現在フォンテルートリの畑には、36の異なるバイオタイプが植えられ、その36種のサンジョヴェーゼのブレンドから「MIX36」が造られています。キャンティの標準的な植樹率が2,500本/haと言われているところ、フォンテルートリは7,500本/haと3倍の密度、収量は1本当たり800g~1kgと徹底した高密度、低収量を行っています。
2007年に天然の地形を活かしたセラーと最新の設備と規模を誇る醸造所が完成。3階建ての建物の内65%が地下にあり、ポンプを使わずに重力で果実・果汁を移動させるグラヴィティフローを採用した造りになっています。また、76のステンレスタンクで100を超える区画から収穫されたブドウを別々に醸造しています。発酵では ブドウにストレスをかけない パンピングオーバー(ルモンタージュ)は行わずパンチングダウン(ピジャージュ)のみ行っています。地下15mにある樽熟庫は岩壁に天然の湧き水が流れ、適度な湿度と温度が保たれています。