Chateau Lagrange

シャトー・ラグランジュ

フランス:ボルドー メドック第三級(サンジュリアン村)

 
1983年にサントリーが経営権を取得後、クオリティファースト、自然との調和、大いなる挑戦をフィロソフィーとするオーナーの支援のもと、買収額の3倍以上もの資金を投じてワイナリーを再興。1990年代後半にはグランクリュ3級にふさわしい評価を再び得るまでに復活しました。その後も品質向上への挑戦を重ねるとともに買収後に新たに植え付けた苗木の樹齢上昇に伴い、今では2級にも負けない、テロワールの魅力が凝縮した、偉大なワインを生み出すようになりました。ポーイヤック村の力強さと、マルゴー村のエレガンスを兼ね備えると言われるサン・ジュリアンのワイン。シャトー・ラグランジュは、その芸術的なバランス感に加え、もう一つの特筆すべき特徴は熟成により神秘的成長を遂げることです。若い段階ではたくましさと華やかな風味が印象的で、ゆっくり穏やかに熟成が進むにつれて繊細で芳醇な味わいへと変化していきます。
 

2019
シャトー・ラグランジュ
¥8,600 品切中
2018
シャトー・ラグランジュ
¥7,680 品切中
2017
シャトー・ラグランジュ
¥6,750 品切中
2016
シャトー・ラグランジュ
¥8,370 品切中
2015
シャトー・ラグランジュ
¥9,800
2014
シャトー・ラグランジュ
¥7,220  品切中
2010
シャトー・ラグランジュ
¥8,090 品切中
2009
シャトー・ラグランジュ 1500ml
¥29,800 品切中
2000
シャトー・ラグランジュ
¥25,000
2016
レ・フィエフ・ド・ラグランジュ
¥4,320 品切中
2015
レ・フィエフ・ド・ラグランジュ
¥3,770 品切中
2014
レ・フィエフ・ド・ラグランジュ
¥3,690 品切中
2019
レ・ザルム・ド・ラグランジュ
¥5,200
2016
レ・ザルム・ド・ラグランジュ
¥4,230 品切中
2013
レ・ザルム・ド・ラグランジュ
¥5,200 品切中
2021
レ・フルール・デュ・ラック
¥3,080

 
 

シャトー・ラグランジュとサントリーの20年感の歩み

 シャトー・ラグランジュは今日でこそメドック格付け三級として君臨していますが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。19世紀にデュシャテル伯爵によりシャトーの名声は高められ、畑の環境整備や高い栽培技術をもってワインの品質は磨き上げられてきました。しかし、1925年以降、センドーヤ家の所有下になると大恐慌という時代の波も受け、シャトーは荒廃していきました。その後、60年代、70年代にかけての評判も極めて低いものでした。
 1983年、欧米以外の企業によるフランス政府の初の認可を受け、サントリーはこのシャトーの経営を引き継ぎました。本来このシャトーが持っている力を最大限引き出すための大幅な改造計画が始まりました。
 まず、当時ボルドー大学でワイン醸造研究所長を務めていた醸造学者エミール・ペイノー博士に協力を依頼しました。そしてシャトー・ラグランジュの総責任者には彼の門下生であるマルセル・デュカスが就任しました。
 もともと畑の立地はよく、また幸運にも分割されずに残っていた為、結果的に潜在能力の高い土壌がサントリーへと引き継がれる形となりました。当時の畑はメルロ種が半分を占めていましたが、カベルネ・ソーヴィニョンの比率を高めると共に、剪定と収穫量の制限をすることで葡萄の品質を高めていきました。また、醸造設備についても大幅に改良を加えました。最新式の温度コントロール装置付ステンレス発酵タンクを数多く揃え、品種ごと、区画ごとに醸造することができる体制を可能にしました。このようにして、畑から醸造施設、そして庭園や館に至るまでに大幅な改革が進められてきました。
 当時、メンツェロプロス家によるシャトー・マルゴーの伝説的ともいえる方向転換が喝采を浴びていましたが、サントリーによるシャトー・ラグランジュにおける改革はそれをも上回るほどの大計画でした。
 また、83年のヴィンテージからセカンドラベルであるレ・フィエフ・ド・ラグランジュが造られ、その品質基準がさらに高められるようになりました。
 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 ラグランジュは三級シャトーだが、1983年までは1960年代と1970年代の悲惨な品質のせいで評判に大打撃を被っていた。畑の立地はよく、珍しく分割されていないし、グリュオー・ラローズに隣接しているのだから、良好なワインを生み出せない理由はなかったはずなのだが。
 日本の大企業であるサントリーに買収されたのは1983年だが、同社はシャトーとシェ(ワイン蔵)だけでなく、畑にも並はずれた改良を加え始めた。出資はいっさい惜しまなかったため、管理を行うマルセル・デュカスや、このシャトーの若くて熱心なエノロジストである鈴田健二といった有能な人々が、びっくりするほど短期間のうちにすばらしいワインをつくるようになった。
 ワインの品質が向上しただけでなく、ラグランジュはいまや、静かな庭や、白鳥やカモが集う湖がある美しいシャトーとなったのである。
 1985年以降のヴィンテージに何か特別なスタイルが見られるとしたら、印象的な風味の深みと密着したたっぷりのタンニン、香ばしい新樽、下地となる多汁性とふくよかさだろう。厳しい選別と、シュルマテュリテ(ブドウが過熟すること)の要素を持つ非常に熟したブドウを収穫しているおかげであるのは間違いない。明らかにこの新しい当主は20年強も熟成できるのに若いうちから魅力のあるワインをつくろうといているようだ。
 世界のマスコミは、メンツェロプロス家によるシャトー・マルゴーの並はずれた方向転換を喝采してきたが、1990年には『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が手本とすべき成功例として取り上げていたことには驚かされたものの、シャトー・ラグランジュにおける変化についてはあまり書いてこなかった。それでも今なお、このワインの価格は、向上してきた品質レベルにしてはかなり低く抑えられている。

~一般的な評価~
 1960年代、1970年代には凡庸なワインをつくっていたが、日本のサントリーに買収されてからは目覚しくよくなった。現在の格付けに見合う価値があるが、サン=ジュリアンの他の有名シャトーと比べるとまだ知名度が低いため、それなりの良好なお値打ち品となっている。

平均年間生産量:30万本
畑 面積:109ha、平均樹齢:25年、植樹密度:8500本、平均収量:58hl/ha
育て方:28℃の発酵と3週間のマセレーションは温度管理されたステンレスタンクで。熟成は新樽60%で20ヶ月。清澄も濾過も行う。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン66%、メルロ27%、プティ・ヴェルド7%
所有者:シャトー・ラグランジュSA(サントリー)