Domaine Jean-Noel Gagnard
ドメーヌ・ジャン・ノエル・ガニャール
フランス:ブルゴーニュ(シャサーニュ・モンラッシェ)
ガニャール一族はシャサーニュで1632年にはその存在が知られていた家系で、現在もガニャール姓を名乗るいくつかのドメーヌがワイン造りをおこなっています。ジャン・ノエル・ガニャールは一族でもトップの名声を誇るドメーヌで、シャサーニュを代表するドメーヌの1つに数えられる名手。現在は、娘のカロリーヌ女史が栽培、醸造、販売を行っています。特に白ワインの名声は高く、力強さと繊細さをあわせもつその味わいは、「シャサーニュの手本」とさえ言われています。
■カロリーヌのドメーヌへの参加
カロリーヌはパリでの勉学の後、1989年にブルゴーニュに戻り、1年間ボーヌの栽培・醸造学校で学んだ。そしてドメーヌでの仕事に参加するようになった。翌年1990年にはドメーヌの赤ワインの熟成に新樽を使うことを導入した。しかし、彼女のドメーヌでの改革として特筆すべき点は土壌にあわせてそれぞれの性格をもつキュヴェを独立させたこと、また区画に適した植え換えを行ったことである。
■土壌にあわせキュヴェに個性をもたせる
1991年にプルミエクリュの“レ シュヌボット”を幾つかの区画に分けて瓶詰めすることを始めた。翌年1992年にはプルミエクリュ“クロ ド ラ マルトロワ”白の最初の収穫が行われた。1993年には“レ シャン ガン”がキュヴェとして独立させられた。1996年にはシャサーニュ・モンラッシェ赤に自分の名前である“レスティメ”を冠した。1997年にはいわゆるプルミエクリュという総称のキュヴェをやめ、それぞれの区画にわけて瓶詰めするようにした。そして、2002年にはモルジョの畑の石灰質上部0.3haと粘土質下部0.6haとを分けて、上部を“モルジョ”、下部を“ブドリオット”として瓶詰めすることにした。ミネラル分を多く含む上部に“ブドリオット”らしさを見出したからである。
■土壌に適した植え替え
一方で彼女は区画に適した植え替えをすることに取り組んでいる。一般的にシャサーニュ・モンラッシェというと商業的には白のイメージが強くピノ・ノワールに適した土壌が多いにもかかわらずあえて白を生産するドメーヌが多いことも事実である。そのような状況の中で、彼女は迷うことなくテロワールにあった植え替えを行い、シャサーニュ・モンラッシェにおいて非常にレベルの高い赤ワインを造りあげてきた。父が白ワインにおける礎を築いたとするならば、それらをより良いキュヴェに選り分け、さらに赤ワインの評価を確立させたのは娘のカロリーヌであるといって間違いないだろう。
Blanc
Rouge
クレマン・ド・ブルゴーニュ グラン・リス
Cremant de Bourgogne Grand Lys
[白:辛口]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
オート・コート・ド・ボーヌに位置する、このクレマンを造るための専用の畑のブドウを使用。クレマン・ ド・ブルゴーニュらしいリッチさがありながら、シャンパーニュのようなエレガントさもありクレマンにしてレベルが高い。長い熟成期間により、細やかな泡立ちと、安定感のあるバランスが取れている。
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ・ブラン・スー・ゼギゾン
Bourgogne Hautes Cotes de Beaune Blanc Sous Eguison
[白:辛口]
ぶどう品種:シャルドネ
オート・コート・ド・ボーヌでは80%ピノ・ノワールが植えられているが場所によって素晴らしいシャルドネも育つ。「スー・ゼギゾン」とは畑の上にある崖の名前。このワインは0.41haの畑から出来ており、生産量は4,000本のみ。気軽にジャン・ノエル・ガニャールの力強さと心地よい厚みが楽しめる一本。
シャサーニュ・モンラッシェ PC ショーメ
Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Chaumees
[白:辛口]
ぶどう品種:シャルドネ
<ショーメ>は東向き斜面にある1級畑。桃や洋ナシ、アプリコットなどエキゾチックな果実のリッチなアロマと、ほどよい樽香が溶け合う絶妙なバランスです。口当たりはまろやかで、果実のボリューム感がたっぷりと口中に広がります。
シャサーニュ・モンラッシェ PC レ・カイユレ
Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Caillerets
[白:辛口]
ぶどう品種:シャルドネ
シャサーニュ・モンラッシェ村のプルミエ・クリュ区画(一級畑)のちょうど中央に位置する畑。力強く、しかも気品ある酸味と練り上げたようになめらかな果実味。その複雑で深みのある風味は、名手ガニャールの逸品。
バタール・モンラッシェ
Batard-Montrachet
[白:辛口]
ぶどう品種:シャルドネ
ドメーヌでは、このグラン・クリュ畑のシャサーニュ・モンラッシェ側の区画を所有。果実の凝縮感と複雑味、ミネラル分の豊かさ、余韻の長さなど、非常にスケールの大きいパワフルなワインながら、あくまでエレガントで洗練された印象は、ジャン・ノエル・ガニャールならではのスタイルといえるでしょう。格の違いを感じます。
シャサーニュ・モンラッシェ・ルージュ キュヴェ・レスティメ
Chassagne-Montrachet Rouge Cuvee Lestimee
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
「レスティメ」というキュベ名は、現在の責任者であるカロリーヌ・レスティメ(ジャン・ノエル氏の娘)の名とフランス語の「尊敬される」という言葉をかけています。イチゴやラズベリーのようなみずみずしいチャーミングな果実味を、ユーカリを思わせるスパイシーな香りが引き締めます。白ワインが有名なこのアペラシオンですが、若いうちから楽しめる優れた赤ワインもお届けしたいというドメーヌの思いが表現された1本です。