Domaine de la Bongran
ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン
フランス:ブルゴーニュ(マコネー)
マコネでは全く異なる独特の個性をもつ類まれなワイン
ドメーヌ・ド・ラ・ボングランの特徴
◆ビオロジック農法
長年ビオロジックを実践しており、化学肥料は一切用いず除草剤の代わりに何度も鋤入れを行う。畑の土は踏み入れた脚が埋もれてしまうほどの柔らかさ。機械収穫が主流のマコネーにおいてブドウの熟成度合いを見ながら複数回に分けて手摘みで収穫。
◆2つの異なる土壌から
ドメーヌのセラーは粘土石灰土壌の畑に隣接し、この畑からは主力の「キュベ・トラディション」が造られる。その上部の斜面には泥灰質土壌が広がるが、この土壌はソーヌ河で発生する霧由来の湿度を吸収、保つ性質がある。そのため、地中に蓄えられた湿度が10月、日中の気温が高くなる日に蒸気として地上に放出され、それが良質のボトリティス菌の発生をもたらし、ブルゴーニュとしては珍しい貴腐ワインを生み出す。この畑からは「キュベ・EJ・ テヴネ」、「キュベ・ルヴルテ」「キュベ・ボトリティス」を生産する。
◆低温での長いアルコール醗酵
ジャン・テヴネ氏は25年前から試行錯誤を繰り返し、複雑味を得るため、できるだけ時間をかけて発酵を行なうべきだという考えに至った。アルコール醗酵は低温(約10度~16度)でゆっくりと行い、それは実にキュベトラディションで16ヶ月、EJ・テヴネで2年にも及ぶ。オーク樽は一切使用せず、オリとの接触面が広くなるよう横長のタンクで醸造している。長い醗酵期間中に酵母の活動が止まってしまうこともあるが、野生酵母に力があるため、人工酵母を添加しなくとも、タンクを移し変えたりすることで再び酵母が活動する。
◆木樽を使わない熟成
この長きにわたるアルコール醗酵の後、3~4ヶ月のマロラクティック醗酵に移行、ワインはステンレスタンクで6~12ヶ月熟成する。オーク樽は一切使用せず、澱引きは行わない。こうしてじっくりと時間をかけて行なわれるワインづくりのため、このドメーヌのワインが市場に出るのは、他のドメーヌより2年近く遅くなる。
カンテーヌ村のドメーヌ・ド・ラ・ボングランではジャン・テヴネの息子であるゴーチエ・テヴネにその独特のワイン造りが受け継がれている。彼らが造るワインはいわゆる型通りのワインとは一線を画している。彼らの土壌は素晴らしい要素を持っており、また現在飲み頃とされている他の生産者のワインとは複数ヴィンテージ遅れて彼らの飲み頃のワインを提供する方法をとっている。現在では2001年ヴィンテージが販売されて(つまり飲み頃とされて)おり、それは2000年ヴィンテージの時のように他のマコネとは全く異なる独特の個性をもつワインとなっている。特にボトリティスから造られるキュヴェはその成熟度と残糖分を惜しみないほどに放ち、類まれな個性を光らせている。(クラスマン2007)