Chateau Boyd-Cantenac
シャトー・ボイド・カントナック
一時期、品質が非常に低迷しましたが、「ボルドーの父」と呼ばれるペイノー博士の指導により、果実味の心地良い、クリーンでなめらかなワインに生まれ変わっています。
マルゴーの中心の痩せた砂礫質土壌に17haの畑を所有。醸造にはコンクリートとステンレスタンクを併用、樽熟成は12-18ヶ月間。ブレンドは熟成の後半に行われます。
カベルネ中心のブレンドながら比較的早くから楽しめるのが特徴。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ブラーヌ=カントナックとキルヴァンの南側にあたるカントナックのコミューンの中心に位置する。どうしようもないほどの品質の不安定なシャトーで、残念ながらもはや三級には値しない。ここと近隣のシャトー・プージェは、1930年代前半から有名なギルメ一族が所有している。ボイド=カントナックに正規なシャトーがないので、ワインはシャトー・プージェに隣接する倉庫で醸造、貯蔵される。こうしたワインがなぜよくならないのか、かねてから不思議である。ボイド=カントナックの良好なヴィンテージについても、期待にそぐわないものがいくつかある。選別をもっと厳しくして、より多くのワインをセカンド・ラベルにまわし、新樽の割合を高くすれば、おそらくセラー内での品質は安定するだろう。瓶詰め前には悪くないのに、その後のテイスティングでは、粗削りで、やつれたワインになっていることがしばしばである。したがって、このワインは私の購買リストに載ることはない。また、ボルドーをよく知らない人は、カントナックという名前が一部共通するものの、もっと有名でしかも良質なワインをつくっているブラーヌ=カントナック、カントナック・ブラウンと混同することがよくあるのではないかと私は思っている。
平均年間生産量:6~7万本
畑 面積:17ha、平均樹齢:35年、植樹密度:1万本/ha、平均収量:42hl/ha
育て方:ブドウは手摘みと機械摘み。発酵とマセレーションはえぽきし張りのセメント槽でやや長めに行う。その後の熟成は新樽50%で12~18ヶ月。澱引きは3ヶ月ごと。卵白で清澄し、必要なら濾過も行う。清澄はするが、1997年以降濾過はしていない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロー25%、カベルネ・フラン8%、プティ・ヴェルド7%