100年の間に30数ヴィンテージのみ
孤高の存在を貫くシャンパーニュメゾン
サロンは唯一無二のシャンパーニュです。この異端児的ワインは、すべてが「単一」という枠の中で誕生しました。エメ・サロンというひとりの男が夢見たシャンパーニュは、単一のテロワール(コート・デ・ブラン地区)の単一のクリュ(メニル・シュール・オジェ村)で育つ、単一ブドウ品種(シャルドネ)で造ったヴィンテージワインでした。シャンパーニュはノンヴィンテージであることが主流ですが、サロンには必ずヴィンテージが入り、その上ブドウが最高の状態で収穫された年だけに、サロンが生まれるのです。
1905年に初めてのヴィンテージを世に出したサロンの歴史は、シャンパーニュとメニルのテロワールをこよなく愛した男の一生でもあります。不動の信念に突き動かされたとでもいうような、特異な性格を持ったエメ・サロンは、自らの願望をパーフェクトに叶えるシャンパーニュを生み出します。当初は存在しなかったブラン・ド・ブランを、独自の楽しみのためだけに製造し、それは1920年代に至るまで、世の中に出回ることはありませんでした。
このシャンパーニュには、1ヘクタールの区画「ジャルダン・サロン(サロンの庭園)」と、20世紀初頭にエメ・サロン自身がメニル・シュール・オジェ村で選定した19の小規模な区画で栽培されたブドウが使用されています。複雑な味わいと繊細さを存分に開花させるため、サロンは通常10年の間、セラーで熟成されます。
サロンの方針によって、これまでに瓶詰めされたボトルのほぼすべてのヴィンテージが、メニルのセラーで眠り続けています。これは、継承を尊重するメゾンの信念を表しています。
20世紀を通して生産されたヴィンテージの数が、わずか37。これはワイン界では異例の数といえるでしょう。
今日、サロンはドゥラモットと共に、ディディエ・ドゥポン社長、及びローラン・ペリエグループの最高醸造責任者ミシェル・フォコネー氏の管轄下で、歴史を刻み続けています。