Les Hertiers du Comte Lafon
レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン
「ムルソーの巨人」と呼ばれるようになったドミニク・ラフォン氏は「より気軽に楽しめる、マコンの素晴らしさを最大限に引き出したワインを造りたい」という思いのもと、1999年、同じくブルゴーニュ地方のマコンの地に「レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォン」を設立しました。 エリティエール(HERITIERS)とは、「後継者」という意味。世界最高峰の白ワインと讃えられるコント・ラフォンのスピリットを受け継いだワインがマコンの地で生み出されています。
ドミニク・ラフォン氏がマコンにかける情熱は、ムルソーにかけるそれと全く同じです。本家のドメーヌ・デ・コント・ラフォンがあるムルソーからマコンまで車で約1時間の距離がありますが、ドミニク氏は毎週のようにマコンの畑の状態チェックに通っています。ブドウの栽培については、コント・ラフォンと同じくビオディナミを実行。多くの生産者が熟し過ぎるほどにブドウを完熟させてから収穫するのに対し、ドミニク氏はいきいきとしたフレッシュな酸を大切にしています。そのため収穫期には、ドミニク氏曰く「決めなきゃいけないことがたくさんある。」と、毎日のように車を走らせマコンの畑に赴いているということからも、ドミニク氏の本気度が伺えます。2006年からは才能溢れるカロリーヌ・ゴン女史を右腕に、ブドウとワインの品質に磨きをかけています。また、2019年からは、“後継者”の一人である、娘レア・ラフォン女史もワイン造りに参画しています。
1995年からドメーヌ・デ・コント・ラフォンでビオディナミ農法を用い、ブドウ栽培を開始し、完全に移行できたのが1998年。ドミニク氏はレ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンでも、本家と同様にビオディナミ農法で栽培を行っています。彼は元々ビオロジックに興味があり、1990年代に故アンヌ・クロード氏(ドメーヌ・ルフレーヴ前オーナー)とビオロジックとビオディナミ両方の白ワインを比較試飲。ビオディナミ農法のワインは、よりワインにテンションと力強さがあると感じ、ビオディナミ農法を始めるきっかけとなりました。
ドミニク氏は最初の3年間に渡り、ビオディナミのプレパラシオン(調合剤)を使用。すると明らかに土壌の保水状態が良くなり、更に堆肥とホメオパシー(民間療法の一種)によって、土壌のバクテリアが活性化。土壌が改善されることでブドウ樹自体が強くなり、枝は丈夫に、また蔓の伸びも良くなったとのこと。
マコネ地区では、ステンレスタンクを用いるワイン造りが一般的ですが、レ・ゼリティエール・デュ・コント・ラフォンでは600Lの大樽を使用してワイン造りを行っています。熟成期間を12ヵ月程度と短めにすることでマコンの特徴である、「瑞々しい豊かな果実味」を最大限に引き出します。そのような拘りから、洗練された一流の風格を備えていながらも、いきいきとしたフレッシュな酸を大切にしているマコンが生まれ、早くから愉しめるのがその魅力です。