メオ・カミュゼの歴史は、1900年代初頭、コート・ドール県議会議員であり、ヴォーヌ・ロマネの生産者であったエチエンヌ・カミュゼから始まりました。このドメーヌの特徴は何と言ってもその特級畑の質と量。クロ・ヴージョ、リシュブール、エシェゾー、コルトンといった、ヴージョ村とヴォーヌ・ロマネ村を中心に4つのグランクリュ、6つのプルミエクリュを所有するブルゴーニュ屈指の名門ファミリーです。
また、ワインの神様と呼ばれているアンリ・ジャイエがコンサルタントを務めていたことでも有名で、ジャン・ニコラ・メオの時代からジャイエのコンサルトによって風味の深さや果実味のインパクト等、酒質が向上しました。また、上級ワインには100%の新樽を使用し、ノンフィルターで瓶詰めを行っています。
現在では、アンリ・ジャイエに直接指導を受けたジャン=ニコラ・メオが経営を担当、 畑の仕事は、以前から小作人として働いていたクリスチャン・フロワ氏が これまでの経験を活かしたアドバイスをしながら行っています。収穫は全て手摘みで、ほぼ100%除梗。 アンリ・ジャイエの特徴である、マセラシオン・ア・フロワ(低温浸せき)という醸造法を忠実に守ってワイン造りを行っています。 特級と1級は100%新樽、その他は約50 %の新樽比率で18か月間熟成させ、 ノンフィルターで瓶詰されています。
メオ・カミュゼ・フレール・エ・スール
Meo Camuzet Frere & Soeurs
またジャン・ニコラは「メオ・カミュゼ・フレール・エ・スール」の名前でネゴシアンビジネスも行っている。
マルサネ、フィサン、ジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ニュイ・サン・ジョルジュなど、ドメーヌもののヴォーヌ・ロマネを補う形でコート・ド・ニュイのアペラシオンを余すことなく網羅。これらの中には短期賃貸契約によりメオ・カミュゼのスタッフが畑の管理から収穫まで、ドメーヌの畑と同様に仕事をしているクリマも少なくない。また、ブドウやマストを買い付ける場合でも、夏季剪定や収穫時の選果を行い、品質の安定を図っている。
ドメーヌもののワインがその希少価値から入手困難であり、価格の壁も高いことから、比較的手頃な値段でメオ・カミュゼの哲学が楽しめるネゴスものの存在は、ワイン愛好家はもちろん、レストランにとってもありがたい存在といえるだろう。