2021 モレ・サン・ドニ PC クロ・ソルベ
ドメーヌ・フランソワ・フュエ
Morey Saint Denis 1er Cru Clos Sorbe
2006年にジャッキー・トルショー・マルタンから引き継いだ畑の一部で、アペラシオンの北端、クロ・ソルベの畑の中でも最も北の下部に位置しており、土壌はジュラ紀中期バトニアン期の石灰質を含んでいます。 フランソワ・フュエ氏曰く「グラン・クリュに近い味わいが特徴の一級畑」とのこと。水はけのよい畑で育つ平均樹齢約55年の樹で採れたブドウを使用しており、手摘みで収穫されたブドウは70%の全房比率で発酵させ、新樽率40%のオークで熟成させます。造られるワインは果実味が強く、華やかな香りが特徴です。
外観は輝きのあるルビーレッドの色調。ブラックチェリーやカシス、イチゴなどのフレッシュな黒・赤系果実のアロマに、ミントやリコリス、スパイスのニュアンスが立ち上ります。口当たりは滑らかで、豊かな果実味とタンニンが美しく調和。ほのかなミネラル感とエレガントな酸を伴った、上品なスタイルです。
ヴィンテージ | 2021 |
原産国 | フランス |
産地 | ブルゴーニュ |
地域 | コート・ド・ニュイ |
アペラシオン | モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ |
生産者 | ドメーヌ・フランソワ・フュエ |
色 | 赤 |
容量 | 750ml |
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
味わい | ミディアムボディ |
アルコール度数 | 13.0% |
輸入元 | エノテカ |
ブルゴーニュ愛好家と注目醸造家が手掛けるドメーヌ
フランソワ・フュエは、オート・コート・ド・ニュイのシュヴァンヌ村に位置するワイナリーです。ドメーヌのオーナーは、キャンピングカーやテントなどアウトドア用品の製造販売を行うTRIGANO社の会長を務めるフランソワ・フュエ氏。彼はフランスの長者番付で200位以内に入るほどの大富豪であり、熱狂的なブルゴーニュワインの愛好家として知られています。ドメーヌの歴史は1991年に遡り、フランソワ氏がブルゴーニュワインを愛するあまり、ニュイ・サン・ジョルジュ村にあるオー・トレイの畑を1.2ha購入したことに由来。その際には、ブルゴーニュの神様と言われるアンリ・ジャイエ氏にアドバイスを受けたという逸話もあるほど、彼のワイン造りへの情熱、こだわりは生半可なものではありませんでした。
ドメーヌでは現在モレ・サン・ドニ村の区画の他、シャンベルタンやエシェゾーなどの特級畑も所有しており、幅広いラインナップを手掛けています。数ある特級畑でもフランソワ・フュエで特筆すべきはブルゴーニュの幻的存在であるドメーヌ・トルショ―・マルタンから購入した区画です。その中でも、クロ・ド・ラ・ロッシュやシャルム・シャンベルタンなどの区画の一部には引き継いだ当時の樹々がまだ植えられており、1920年に植樹されたものが残っていると言われています。まさに夢のような区画を引き継いだと言えるでしょう。ブドウの栽培にはビオロジック(有機農法)を採用し、除草剤を含め化学薬品は一切使用しておらず、畑は農耕馬によって耕されています。加えて、栽培チームは冬の時期にすべての区画の状態を見極めて、それぞれに合った剪定方法に変えるなど、ブドウを最も良い状態で収穫できるように常に努力を重ねているのです。近年では、畑の健全性を保つために、数年間土壌を研究した結果からブドウ以外の植物、木々を一緒に育てる取り組みを行っています。
醸造家には、ダヴィド・デュヴァン氏に全面的に依頼。有機的栽培への転換や低温浸漬の排除、全房発酵の導入などを取り入れ、その器量を遺憾なく発揮。ダヴィド・デュヴァン氏は2016年にフランスのガイドブック『ラ・ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランス』で、DRC、ルロワ、ジョルジュ・ルーミエなどとともに最高評価を獲得しています。
ブルゴーニュ最先端ともいえる透明感溢れるスタイルに根強いファンが多い、フランソワ・フュエ。手掛ける全てのアペラシオンにおいてヴィンテージに左右されない安定した高い品質を誇り、フランスのワイン雑誌『ラ・ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランス』でDRC、ルロワ、ジョルジュ・ルーミエなどブルゴーニュのスーパースターたちとともに、最高評価である3つ星を獲得しています。