Domaine Fourrier
ドメーヌ・フーリエ
ドメーヌ・フーリエはジュヴレ・シャンベルタンを本拠地として19世紀半ばから続く名門。ジュヴレ・シャンベルタン以外にも、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴージョに合わせて約9.5ha、その70%ほどが一級畑と特級畑という豪華絢爛たる畑を所有しています。
現在の当主は1971年生まれの若き情熱家ジャン・マリー・フーリエ氏。 5代目になるジャン・マリー氏はボーヌのワイン農業高校を卒業後、父の仕事を手伝いながらブルゴーニュ大学の醸造講座に通いワイン造りを学びました。そして1988年には半年間、今でもブルゴーニュの神様と称えられる故アンリ・ジャイエ氏の教えを受け、さらに1993年にはアメリカのオレゴンに渡り、名手ジョセフ・ドルーアン氏の元でアメリカのピノ・ノワール造りを経験しました。
フーリエのワインの美点と言えば、その大部分が古樹から採れるブドウを使用していること。150年近くに渡り、代々続く一家だからこそ、最高のテロワールにこれほどまで古い樹を持つことができているのです。また、新樽の使い方は非常に慎重で、全てのキュヴェにおいて新樽比率を20%以内に抑えています。そうして造られるワインは、複雑で力強いスタイルながら、柔らかさもあり癒しのある味わい。実はその生産量の99%が輸出されるため、フランスではほとんど無名と言われるほど、国際市場で高く評価されているのです。
自ら「テロワリスト」と名乗り、醸造にテクニックを求めず、自然を支配することを好みません。高度な技術に頼らず、自然に任せていた20世紀初頭のヴィニュロンの流儀の再現を目指しています。
栽培はリュット・レゾネを採用。農薬は主に低濃度の硫酸銅を使用。肥料は遺伝子組み換えでないものを2~3年に1回撒いています。剪定は集団選抜クローンに適しているギュイヨ仕立て。株が均一化するとワインの複雑味が損なわれるとの考えから、市販のハイブリッドクローンは用いていません。収穫量を制限するため、摘芽は非常に厳しく行います。収穫は、収穫人を急がせず、ゆっくりと選別しながら摘み取りを行わせ、またカビが飛び移らないよう手洗いも励行しています。収穫果は100%除梗し半分だけ破砕。低温浸漬は自然の温度(朝の収穫果の温度)で3~4日行います。マストが15℃を超えるときは温度を下げています。自然に任せて発酵を開始し、発酵開始直後と末期に液循環、最盛期には1日4回手作業によるピジャージュを組み合わせ、トータルの発酵期間は18~20日間。熟成は、新樽は多用せず20%程度の使用に留めます。18ヶ月の熟成中、澱引き、清澄、フィルターも一切行っていません。
2011年ヴィンテージからは「ドメーヌ・フーリエ」名義のワインに加え、自社畑以外の購入したブドウを用いたキュヴェを「ジャン・マリー・フーリエ」という名義でリリース。自社畑が位置しないアペラシオンであること、高品質のブドウであること、ドメーヌの生産量の3割を超えないことを自らに課し、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ、ヴージョのグラン・クリュ、シャンボール・ミュジニーのプルミエ・クリュに、2014年が初リリースとなるマゾワイエール・シャンベルタン グラン・クリュを加えた、錚々たるラインナップを手掛けています。
これらのワインは、ドメーヌ・ワインと何ら変わりのないフィロソフィーで造られており、ジャン・マリー氏曰く「新たに養子に迎えた子供のような存在」とのこと。より良いワインを造りたいという情熱からグラン・クリュ、プルミエ・クリュという上級キュヴェにこだわり、自分自身の名前を冠してワインを造っています。
フーリエが新たに取得したコート・ド ・ボーヌのワイン
Jean-Marie Fourrier Vigne Comte de Chapelle
ジャン・マリー・フーリエ ヴィーニュ・コント・ド・シャペル
ドメーヌ・フーリエによる新プロジェクトでコート・ド・ボーヌ地区に7.5haを所有するドメーヌ・コント・ド・シャペルの畑を手に入れる。コント・ド・シャペルのワインは流通が限定的であり国際市場で話題になる事はなかったが、古樹中心に赤白約半分ずつの手入れが行き届いた畑を所有する。別名はシャトー・マッソンでコント、シャトーという呼称からも貴族系の由緒正しさが窺い知れ、高齢であるピエール・イヴ・マッソン氏の後継者不在から今回の買収が実現。栽培から醸造、瓶詰めまで一貫してドメーヌ・フーリエが行うワインであるが、ドメーヌ・フーリエではなく、ジャン・マリー・フーリエとしてリリースされ、ネックラベルに「ヴィーニュ・コント・ド・シャペル」と入る。初ヴィンテージ2022年