メルキュレイの新星ドメーヌ
1987年に当主ブリュノ・ロレンゾン氏に代替わりして以来、常に欧米で脚光を浴びる続けるライジング・スター・ドメーヌ。パリのタイユヴァンを始めとする3ツ星レストランがこぞって買い付けしているため、近年では入手困難(年産で僅か2万本程度)となっており、日本への割当てもごく僅かとなっている。
ブリュノ氏は、ニュージーランドで最新の栽培学と醸造学を修めたのみならず、現地ワイナリーでも実際にワイン造りを行った広い見識を持つ新世代。フランスで伝統的に行われる栽培・醸造の手法と、最新の科学的手法のベストの部分のみを取り入れた先進的なワイン造りをしている。また現在でも、友人の経営している南アフリカのワイナリーで栽培と醸造を毎年行い、現状に満足することなく進歩を続けている。ブリュノ氏のワイン造りを一言で表現するなら「完璧」。一切の妥協を許さない仕事人間。
栽培は、目の行き届くトータル5haの畑を、対処農法(リュット・レゾネ)によって管理。ボルドーの1級シャトー並みに密植した畑であるにもかかわらず、20〜30hlという低収量に抑えて、テロワールを反映させている。収穫もフェノール分(種子や果皮のタンニン分)の完熟を待って行われるため、一般的にイメージされるメルキュレィ村のワインにありがちな、乾いたタンニンのニュアンスではなく、柔らかくジューシーな熟したタンニンを持つワインに仕上がる。
メルキュレイ・ルージュ
Mercurey Rouge
ブリュノ氏の目指すワインはメルキュレイの範疇に留まらず、コート・ドールのドメーヌ物のピノ・ノワールに匹敵。1級畑の格落ちや、いくつかの村名のパーセルを合わせる。果実の凝縮感に緊張感のあるミネラルと引き締まった酸が味わいを引き立てる。ブリュノ氏のコメント「新鮮なフルーツとデリケートなタンニンが口いっぱいに広がる。カリンやオレンジのコンフィ風味満載。」
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・シャン・マルタン・ルージュ
Mercurey 1er Cru Les Champs Martins Rouge
ロレンゾンの赤ワインのスタイルを良く表現しており、ピュアな黒系の果実が溢れんばかりに凝縮され、シルキーなタンニンと壮大なミネラルが骨格を造り、フレッシュな酸が引き締める。樽は浮きすぎず、全体をハーモニーさせている。ブルゴーニュを代表するピノ・ノワールの1本と言っても過言ではない。
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・シャン・マルタン・キュヴェ・キャルリンヌ・ルージュ
Mercurey 1er Cru Les Champs Martins Cuvee Carline Rouge
メルキュレイを代表する1級畑。その中でも特に優れたパーセル(村に近い斜面最下部)を特別に収穫・醸造・瓶詰したもの。シルキーなタンニン、熟した黒系果実とオリーブのアロマ。ジューシーで丸みのある味わい。
メルキュレイ・ピエス・トレーズ・ルージュ
Mercurey Piece 13 Rouge
家族が愉しむために造る特別なワイン。すべてのクリュの中から、20hℓ/haという超低収量の最上区画の葡萄を使い、最高のキュヴェだけをアッサンブラージュ。ブリュノ氏のこれまでの経験とメルキュレイのテロワールの最高峰を凝縮。「いったい何が入っているんだ?」と思わせる、幾重にも重なる複雑さ。堂々たるフィネスと繊細さを併せ持つ。