Chateau Troplong Mondot
シャトー・トロロン・モンド
フランス:ボルドー サンテミリオン地区 Saint-Emilion Premiers Grand Cru Classe B
2006年格付けにてプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・Bに昇格
しかしブドウの完熟を待って可能な限り摘み取りを遅くしたり、グリーン・ハーヴェストをして収穫量を抑えたり、新樽比率の引き上げ(約70%)を行うなど巨額な投資を行い、そうした努力が実り、ようやく2006年に第一特別級Bに昇格を果たしたのです。
トロロン・モンドが位置するのはサン・テミリオンの最も標高の高いパヴィの丘。気候が涼しいだけではなく、重い粘土質の土壌も冷たいためブドウはゆっくりと成熟します。古樹の割合が比較的高く、生み出されるワインは深みと奥行きのあるモダンなスタイルです。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
サン=テミリオンの町とブドウ畑を見下ろす、眺望がすばらしいこの美しいシャトーは、コート・ド・パヴィに面する斜面に位置している。ここの畑には非常に古いブドウ樹が数多くある。1980年代半ば、ミシェル・ロランがエノロジストとして招され、クリスティーヌ・ヴァレットがより強い指揮権を手にしたときから、ヴィンテージの品質は飛躍的に向上した。マセレーションはステンレスの発酵槽で、期間を延長して行われるようになった。熟成は70%の新樽で、少なくとも12~24ヶ月間行う。清澄処理は行うが、濾過処理はめったに行わない。柔軟であること、そして柔軟性に欠けるルールを避けることが、ここのワインづくりがうまくいっている理由である。
また、セカンド・ワインの導入により、劣った発酵槽のワインがそちらに回され、結果としてトロロン=モンドのラベルで市場に出荷されるワインの質はさらに高められていることを記しておくべきだろう。
大半はもう亡くなってしまったが、サン=テミリオンとポムロールには、名高い、伝説的でさえある女性経営者たちがいた。シャトー・カノンのフルニエ夫人、ル・ゲイとラフルールのロビン姉妹、レヴァンジルのデュカス夫人、そしてペトリュスのルーバ夫人などである。そして、このアペラシオンにはクリスティーヌ・ヴァレットがいる。彼女の品質へのこだわりは、トロロン・モンドの偉大なワインに、はっきりと表れている。
~一般的な評価~
1980年代半ば以来、ヴィンテージの条件にかかわらず一定した出来のワインをつくってきたことを考えれば、トロロン・モンドは1996年のサン=テミリオンの格付け見直し時に、一級に格上げされるべきだった。輝かしくつくられたワインである。
平均年間生産量:9万本
畑 面積:28ha、平均樹齢:50年、植樹密度:5600本/haと6600本/ha、平均収量:35hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理された小容量のステンレスタンクで4~5週間。マロラクティックと12~24ヶ月(ヴィンテージによる)の熟成はオークの新樽で行う。清澄と濾過は不確定。
ブドウ品種:メルロー80%、カベルネ・フラン10%、カベルネ・ソーヴィニョン10%
所有者:クリスティーヌ・ヴァレット