Chateau Palmer

シャトー・パルメ

フランス:ボルドー メドック第三級(マルゴーAC:カントナック村)
 

五大シャトーと肩を並べるスーパー3級シャトー

 果実や花などの豊かな香り、芳醇さそして圧倒的なボリューム。マルゴーらしい気品とエレガントさを兼ね備えたワインで、その質の高さから格付け以上と言われています。

 
 
ワイン造りの特徴としては、他のシャトーに比べてメルロの比率が高いことが挙げられます。これがマルゴーらしい香り高さや華やかさの他に、ポムロルのような豊かさや肉付きのよさを与えています。決して、樽香が強く出過ぎることがないパルメは、最初の数年は控えめな印象ですが、次第に洗練というよりも心が安まる穏やかなブーケを育み始めます。

手摘みのブドウは、醸造所に届くとすぐに畑の区画と品種ごとに慎重に分類されます。約54もの円錐型発酵槽で発酵を行い、その後フレンチオークで約20~22ヵ月間熟成を行います。
2014
シャトー・パルメ
¥45,100 品切中
2011
シャトー・パルメ
¥45,100
2008
シャトー・パルメ
¥41,200  品切中
2006
シャトー・パルメ
¥37,300 品切中
1997
シャトー・パルメ 1500ml
¥63,000 品切中
Alter Ego de Palmer
2014
アルテル・エゴ・ド・パルメ
¥9,360 品切中
2013
アルテル・エゴ・ド・パルメ
¥8,850 品切中

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 小塔のある印象的なパルメのシャトーは、小さなイッサン村の真ん中にあり、ボルドーのワイン街道(県道2号線)のすぐ脇に堂々とたたずんでいる。立ち寄って写真におさめる価値のあるところだが、ワイン愛好家にとってそれ以上に大切なのは、このシャトーがボルドーの最も偉大なワインの1つを生み出していることである。
 シャトーの名声はウェリントン将軍に仕えたイギリス将官、チャールズ・パーマーに由来している。彼は1814年、自軍を率いてボルドーにやってきた。当時はシャトー・ド・ガスクと呼ばれていたこのシャトーを購入し、土地の獲得やブドウの栽培という壮大な計画に乗り出した。それから20年も経ないうちに、ここは「シャトー・パルメ」と呼ばれるようになった。残念ながら、このシャトーの設立に心血を注いだチャールズ・パーマーは破産して財産を失った。亡くなる年の1836年には銀行に没収されて、シャトー・パルメを追われたのである。1939年以来、このシャトーは故ピーター・A・シシュルの家族、マーレ=ベス家とその他4人からなるシンジケートが所有している。その中でいちばん有名な人物は、パルメの日々の営みを管理するベルトラン・プティエである。
 パルメのワインにはどの一級シャトーにも劣らない深遠さがある。2001年、2000年、1999年、1998年、1996年、1995年、1989年、1983年、1975年、1970年、1967年、1966年、1961年のヴィンテージでは、それらの多くをしのぐ場合さえある。パルメは公式には三級シャトーだが、ワインは一級と二級シャトーの間の価格で売られており、それは、ボルドーの商人や海外の輸入業者、世界中の消費者がこのワインに高い敬意を払っている証拠である。
 パルメは今でも伝統的な製法でつくられている。うらやむばかりの成功の記録には数々の要因があげられる。パルメでのアサンブラージュ(ブドウのブレンド)は独特で、メルロの割合が非常に高い(47%)。これがポムロールのような豊かさや、しなやかさ、気前のよさ、肉づきのよさという特徴を生んでいるのは間違いない。ただし、あの引き込まれそうな芳香は、典型的なマルゴーのものである。パルメはマセレーションの期間、つまりブドウの果皮を果汁に浸しておく期間が最も長い(20日から28日間)。パルメのほとんどのヴィンテージに見出される豊かな色や卓越したエキス分、あふれんばかりのタンニンはこのためだ。最後に、パルメはその所有者がワインの濾過処理に頑として反対しているシャトーである。 
 パルメは1961年から1977年にかけて、常にマルゴー・アペラシオンの最上のワインをつくってきたが、1978年に復活したシャトー・マルゴーがいまやマルゴーの序列のトップに立ち、目下のところは2位に追いやられている。ただし、パルメの最近の出来栄えには、一級シャトーへの野望が現れている。1990年代後半に実施されたセラーの大幅な改造とセカンド・ワインの導入は、いずれもパルメからより偉大なワインを生み出す結果につながった。
 パルメのワインのスタイルは、センセーショナルな芳香とブーケによって特徴づけられる。ブラインド・テイスティングで常に感じるのは、パルメの偉大なヴィンテージは、においだけでそれとわかる場合がしばしばだということ。偉大なポムロールの外向的な果実味豊かなブーケに、マルゴーの複雑さと個性をも備えている。舌触りはリッチで、時にしなやかさでみずみずしいが、深みのある果実味と凝縮感はいつも変わらない。
 
~一般的な評価~
 パルメは文句なしにマルゴーで最も人の心を離さずにいられないワインの1つをつくっている。パルメが偉大なヴィンテージを得た時には、左岸には鼻と口蓋にもたされる香りの魅惑においてパルメに太刀打ちできるシャトーはない。このワインへの世界の飽くなき需要を反映して、価格は著しく上昇している。
 
平均年間生産量:シャトー・パルメ/12~15万本 アルテ・レコ・ド・パルメ/10~11万本
畑 面積:52ha、平均樹齢:35年、密植度:1万本/ha、平均収量:46hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理された円錐形のステンレス槽で28~30日間。熟成は新樽45%で20~21ヶ月。清澄はするが濾過はしない。
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニョン47%、メルロー47%、プティ・ヴェルド6%
所有者:SCIデュ・シャトー・パルメ