Chateau Montrose
シャトー・モンローズ
サンテステフのラトゥールとも呼ばれる力強さを秘めたワイン
ジロンド河を望む砂利質の丘の上に位置し、色が濃くタンニンに恵まれ、力強いワインを産みだすとされるシャトー・モンローズは、時としてライバルであるコス・デストゥールネルをも凌ぐとされている。 特にイギリスで高い評価を受けているワインで、サンテステーフのラトゥールと異名があるほど力強く重厚な性格を特徴としています。
そのようなシャトー・モンローズのワインですが、1970年代後半から1980年代前半の間に関してはそのスタイルを明らかに軽くした時期がありました。しかし、シャトー・モンローズのファンはこの「新酒」のスタイルを否定。そこで1986年以降、モンローズは、より力強く筋肉質なスタイルに逆戻りしました。その中でも特にパワフルな造りにこだわったのは1953年から1971年までと、1989年から現在まで。この期間に造られたものは、メドックの中でも最上のワインに数えられます。最近モンローズではオーナーの交代劇があり、ペトリュスを手掛けたクリスチャン・ムエックス氏も一部を保有。ワイン造りはシャトー・オー・ブリオンを引退した、ジャン・ベルナール・デルマス氏がチームを率いるようになりました。これはまさしく、今後の一級昇格をも視野に入れた最強の布陣。今も尚、成長、そして革新し続けるスーパーセカンドと言えるでしょう。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
モンローズはメドックで最も地の利に恵まれたシャトーのひとつであり、セラーに関してはこのコミューンで最も欠点のない、清潔でよく管理されたものである。モンローズといえば、長年、安心して飲めるようになるまでに何十年間も寝かせなければならない、巨大で濃密で力強いワインとして知られてきた。たとえば1982年に、かつてのボルドーのCIVBの会長ジャン・ポール・ジョフレが、私にブラインド・テイスティングで年代を当てろと言って1908年もののモンローズを注いでくれたことがある。そのワインは十分に生き続けていて、少なくとも30年は若く感じられたものだ 。
シャトーの所有者、物腰の柔らかなジャン=ルイ・シャルモリュは、濃密で耐えがたいほどタンニンの強いワインはもはや消費者に好まれないと見て、モンローズのスタイルを明らかに軽くしたことがあった。スタイルの変化は1970年代後半と1980年代前半に特に顕著で、カベルネ・ソーヴィニョンやプティ・ヴェルドの代わりにメルローが多くブレンドされるようになったのである。しかし、モンローズのファンはこの「新酒」のスタイルを歓迎しなかった。そこで1986年以降、モンローズは、1975年以前のヴィンテージを思わせる、より力強い、筋肉質なスタイルに逆戻りした。モンローズの1989年と1990年のヴィンテージからは、確かに、1961年以降見られなかった本当に飛び上がるようなワインが生み出された。モンローズの最も偉大なヴィンテージ、1953年、1955年、1959年、1961年、1964年、1970年を味わう喜びを知ったら、誰でも、モンローズが「サンテステフのラトゥール」の名に恥じない重々しいワインの一群を生産してきたのは間違いないと認めることだろう。モンローズのワインが特に強かったのは1953年から1971年までと、1989年から現在まで。この期間につくられたワインは、普通メドック北部で生産される最上のワインの中に数えられる。
サン=テステフを訪れると、ジロンド河を望む壮大な景観に恵まれた高台に、モンローズの質素なシャトーがある。1986年以降シャルモリュ家の所有となったこのシャトーは、ぜひ訪れてみるべき場所である。古い巨大な開放型のオークの発酵槽と人目をひく新樽セラーを備えたすばらしい発酵所(キュヴェリー)がある。また、隣人の多くと同様、シャトー・モンローズには新しい、最先端の試飲室とレセプション・エリアもある。
平均年間生産量:34万本
畑 面積:68ha、平均樹齢:33年、密植度:9000本/ha、平均産出量(過去5年間):45hl/ha
育て方:ブドウは手摘み。醸造法は伝統的なもの。発酵は21~25日間。木の発酵槽とステンレス鋼の発酵槽を生み合わせて使用。最高温度は30~32℃。できる限りの色とタンニンを抽出するため、もろみの循環作業(ルモンタージュ)は頻繁に行われている。熟成はオーク樽で19ヵ月間。新樽は35%。卵白で清澄処理され、澱引きは6回。瓶詰め前の濾過処理はない。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン65%、メルロー25%、カベルネ・フラン10%