Chateau Lynch-Bages 

シャトー・ランシュ・バージュ

フランス:ボルドー メドック第五級(ポイヤック村)
 

人気のスーパー第五級

 名醸造家として知られるジャン=ミッシェル・カーズ氏が所有するシャトーです。カベルネの比率が高く、伝統的な製法で造られるため、ワインはタンニン分に富み、まろやかさの中にも厚みがあり、力強い味わいが特徴です。格付けは第五級ながら、「現在の品質は第二級に匹敵する」と誰もが認めます。 
 
 
 畑はランシュ・バージュを頂点としてその周囲に広がる、通称「バージュの丘」と呼ばれる場所に位置。ガロンヌ川に浸食されたピレネー山脈からの砂利を中心に構成された土壌は、粘土質が少ないことにより日中に吸収した熱を夜間に発散できるという好条件を備えていることから、古くから出来の良いカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫される銘醸地として知られていました。

 造られるワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高いことにより、タンニンが豊富でまろやかさの中にも厚みがあり、力強い味わい。また開放的で率直、とっつきやすいながらもポイヤックらしさや品格を失わないスタイルは、「貧者のムートン・ロスチャイルド」とも評されるほどの実力派シャトーです。
2019
シャトー・ランシュ・バージュ
¥20,600
2018
シャトー・ランシュ・バージュ
¥20,600  品切中
2017
シャトー・ランシュ・バージュ
¥9,980  品切中
2016
シャトー・ランシュ・バージュ
¥24,290  品切中
2015
シャトー・ランシュ・バージュ
¥19,710  品切中
2013
シャトー・ランシュ・バージュ
¥12,900 品切中
2012
シャトー・ランシュ・バージュ
¥14,850  品切中
2010
シャトー・ランシュ・バージュ
¥23,000  品切中
2013
エコー・ド・ランシュ・バージュ
¥5,340  品切中
2010
エコー・ド・ランシュ・バージュ
¥6,700  品切中
2021
ブラン・ド・ランシュ・バージュ
¥11,000
2020
ブラン・ド・ランシュ・バージュ
¥9,900  品切中
2016
ブラン・ド・ランシュ・バージュ
¥7,990  品切中

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 このシャトーはボルドーのワイン街道(県道2号線)のすぐ西に位置していて、ポイヤックの眠ったような商業の町に南から近づくとたどり着く。町を見下ろすジロンド河のそばの小さな尾根の上にあって、ここは「バージュの丘」という、なるほどと思う名がついている。贅沢なホテルとレストランのシャトー、「コルディアン=バージュ」がランシュ=バージュの真正面に陣取る。つい最近まで、この建物について言われる一番好意的な言葉が「実用本位」というものだった。しかし、ランシュ=バージュは大規模な化粧直しと改修で、見違えるようになった。シャトーの正面が一新され、大きなステンレス・タンクを展示した新しい貯蔵庫、最新設備を誇るテイスティング・ルームを備える。 

(中略) ブドウ畑自体は、北にムートン=ロートシルトとラフィット=ロートシルト、南にラトゥールとピション=ロングヴィル=コンテス・ドゥ・ラランド、ピション=ロングヴィル・バロンを望む場所にある。ランシュ=バージュでは大がかりな近代化と改築はあったものの、ワンつくりの基本的考え方は実に伝統的だ。1980年以来、前にも言ったように、ワイン醸造は新しいステンレス・タンクの中で行われている。その後、ワインは小さなフレンチ・オークのたるに直接入れられる。新樽の割合は1982年のヴィンテージの25%から最近のヴィンテージの60%にまで増加した。ランシュ=バージュは平均して12~15ヶ月間このオーク樽に入れられ、卵白で清澄処理され、瓶詰めに先立って軽く濾過処理される。現在畑にはいっぱいにブドウが植えられ、生産は1970年代の平均2万~2万5000ケースから、豊作の年には3万5000ケースにまで上昇した。その上、収穫の20%から30%はランシュ=バージュのセカンド・ワイン、オー=バージュ・アヴルーにまわされる。 

 1990年、カーズはメドック北部の畑から、ドライで豊かな白のボルドーの生産を始めた。そのワイン(セミヨン40%、ソーヴィニョン・ブラン40%、ミュスカデル20%のブレンド)は新樽の中で発酵が行われ、12ヶ月近く寝かされてから瓶詰めされた。そのデビュー・ヴィンテージは大変印象的で、グラーヴの最高の白を彷彿とさせる質の高さとなった。 
 有名な1855年の格付けで、ランシュ=バージュは最後の一群、第五級に入れられた。しかし、今日この分野の専門家で、ここの現在の品質がほとんど二級並であると言わない人を私は見たことがない。イギリス人のオズ・クラークは呑気に、1855年の格付けをした人たちはピューリタンが中心だったんだろう、などと言っている。なぜかというと「彼らは、ランシュ=バージュのような率直に立派なワインが、本当にほかのけちな畑と同じだけ重要になり得る、と認めることがとてもできなかったから」というわけだ。 

 ランシュ=バージュの一瓶で楽しくならないのが難しいのと同じくらい、物柔らかでいつもオープンで社交的なジャン=ミシェル・カーズ氏、ランシュ=バージュを世界的名声を得るまでに急成長させた立役者を、賞賛しないわけにはいかない。自信家のカーズはアメリカの学校に通い、ネイティブ同様の英語を話し、グローバルな視野を持つ。彼と話せば誰でも、彼が自分のワインを逞しくて開放的で率直、それでいて最高のポイヤックのクラスと個性を表してほしいと考えていることが分かる。その理由で、彼は1985年や1982年などのヴィンテージの方を、1988年や1986年といったタンニンの地味な年よりも好んでいる。また彼は、自身のワインだけでなく、ボルドーの会議やシンポジウム、または国際的なテイスティングで、カーズ氏に出くわせないことはほとんどないくらいである。ポイヤックには、彼以上にワインのために手広く旅行してまわり、雄弁に語るプロデューサーはいない(匹敵するのはピション・ラランドのランクザン夫人くらいだろうか)。  
平均年間生産量:25.000ケース
畑 面積:90ha、平均樹齢:35年、密植度:9000本/ha、平均産出量(過去5年間):45hl/ha
育て方:ブドウは手摘みで、完全に除梗。発酵は普通15~17日間(1996年は例外で20日間)、温度調節されたステンレス鋼の発酵槽で行われる。マロラクティック発酵はタンクの中で起こるが、収穫のうちのわずかな部分は樽に入れられる。その後、全部のワインが新しいオーク樽に移される。新樽は60%で12~15ヶ月熟成。瓶詰め前の清澄処理、濾過処理は一度だけ。どの樽も3ヶ月ごとに上澄みを取り出す。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン73%、メルロー15%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド2%