Chateau les Carmes Haut-Brion

シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン

フランス:ボルドー ぺサック・レオニャン地区

ボルドーの至宝とも言うべきシャトー

所有する畑はボルドー市に接するユニークな立地に恵まれており、市と外周との境界線となる壁に囲まれたクロの畑です。2010年の年末、地元アキテーヌ地方の不動産開発業社、Pichetグループに売却されました。以来、シャトーは大改革が行われています。
 

 
メドック格付け一級シャトー、オー・ブリオンとグラーヴ格付け特級のラ・ミッション・オー・ブリオンの向かいに位置しています。しかも、歴史的にレ・カルム・オー・ブリオンはオー・ブリオンの一部だったという経緯もあり、土壌の種類はオー・ブリオンと同じと言われる、素晴らしい畑を所有しています。

ブルーベリーやラズベリー、黒鉛やスギなどの複雑な香り。味わいには重厚感のある果実味、そして、オー・ブリオンにも通ずる、後味の上品さも備わっています。余韻がとてもまろやかに感じられるボルドーワインです。
2019
シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン
¥16,500  品切中
2017
シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン
¥13,800  品切中
2016
シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン
¥17,700   品切中
2012
シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン
¥17,700  品切中
2009
シャトー・レ・カルム・オー・ブリオン
¥19,250   品切中

 

 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 1970年代初め頃、ふらっと立ち寄った酒屋で、幸運にも1959年のレ・カルム・オー・ブリオンのマグナム・ボトルを安売りしていたのに遭遇したことがある。その当時、私はこのワインのことを聞いたこともなかったのだが、せっかくだから2本買い込んだ。ところが、あまりにもすばらしいものだったので、その後このワインを入手しようと万策を尽くしたが、結局見つけることはできなかった。
 この小さな宝石のようなシャトーは、ボルドー近郊のペサックの砂利の多い丘の上にあり、近くには、名高いオー・ブリオンとラ・ミッション・オー・ブリオンがある。そのせいでもないだろうが、このシャトーは、ペサック・レオニャンで最も人目につかない、知る人ぞ知る最高品質のワインをつくっているのである。だが、こうしたことを、当時の私は知る由もなかった。
 このシャトーの名称は、レ・カルムという修道会にちなんだものだ。この団体が1584年から1789年までこのシャトーを所有していたのだが、フランス革命期に、聖職者たちはこの地の所有権を剥奪されたのである。
 レ・カルム・オー・ブリオンはリッチでフルボディのワインだ。これは、砂利と粘土質の土壌がメルロにとりわけ適しているからにほかならない。伝統的なワインづくりの手法が、深みのある色合い、強烈で複雑といった古典的なグラーヴ・ワインに結実している。残念なことに、レ・カルム・オー・ブリオンの大部分は、シャントカイユ氏の経営するネゴシアンを通してヨーロッパ市場へ販売されている。ほんの少量しかつくっていないため、アメリカで入手することは困難である。
 ここのワインは、オー・ブリオンとラ・ミッション・オー・ブリオンのワインに質が非常によく似ているが、これらのシャトーとテロワールが基本的に同じだから、驚くには当たらない。小さくても、ペサックでトップ・クラスのこのワインは、手を尽くして探すだけの価値がある。
 
~一般的な評価~
 小さな宝石のようなこのシャトーは、卓越したワインをつくっているが、生産量が極めて少ないため、なかなか見つけることができない。最近のヴィンテージのものは、常に掘り出し物として位置づけられている。最高のヴィンテージでは、ここのワインは偉大なオー・ブリオンに引けをとらないほどの複雑さを持つが、オー・ブリオンの言わずと知れたテロワールからくる濃厚さはない。並はずれたフィネスと爆発的な香りがあるのは、カベルネ・フランのブレンド比率が比較的高いためである。
 この過小評価されてきた作品は、まだ価格がリーズナブルであり、抜け目のない消費はもっと注目すべきだ。格付シャトーに昇格されてもよいシャトーである。

平均年間生産量:2万2000本
畑 面積:4.6ha、平均樹齢:35〜40年、植樹密度:1万本/ha、平均収量:46hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレス槽で15〜21日間。マロラルティックと18ヶ月の熟成は新樽50%で行う。清澄と濾過はヴィンテージによる。
ブドウ品種:メルロー50%、カベルネ・フラン40%、カベルネ・ソーヴィニョン10%
所有者:フェルト&シャントカイユ家