Chateau kirwan

シャトー・キルヴァン

フランス:ボルドー メドック第三級(マルゴーAC:カントナック村)

完全復活のシャトー

シャトーの歴史は当時大手ネゴシアンを経営していた英国人ジョンコリングウッドが16haの地続きの畑を所有したことに始まる。その後アイルランド人のマークキルヴァンがジョンの娘と婚姻しシャトーを引き継いだ。カントナック台地の砂利質土壌に40haの畑を所有しカベルネソーヴィニョン45%、メルロ30%、カベルネフラン15%、プティヴェルド10%を栽培。マルゴーらしい気品に溢れたスタイルのワインを造っている。
 
1925年に、シーラー(Schyler)家がこの地を購入。もともとハンザ同盟の商家であり、1739年からネゴシアンとしてボルドーに定住していたこの一族がクリュを取り仕切るようになりました。1970年代以降には大規模な設備投資を行いました。ソフィーとナタリー、それからヤンに世代交代したシーラー家は、2007年に熟練の醸造家であるフィリップ・デルフォー(Philippe Delfaut)氏を統括マネージャーに迎え、体制を強化させました。
 
2014
シャトー・ギルヴァン
¥7,110

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 1995年までのキルヴァンもまたボルドーの1855年の格付けにふさわしい立場を維持しているとは言えない、マルゴーのシャトーの1つであった。マルゴーの多くの格付けシャトーと同じく、キルヴァンのこれまでの実績はぱっとしたものではなかった。私は昔からキルヴァンには批判的で、常に軽すぎて、さえない、精彩に欠けるワインは、格付けの威信や高い値段にそぐわないとみなしてきたが、品質は1990年台半ばから劇的に復活してきた。
 キルヴァンはライトボディで、コンパクトで、酸味の強いボルドーだったが、1990年代、それも、しばしば難しいヴィンテージのワインは、色が濃くなり、肉づき、ボディと力強さが増しているようで、印象的である。価格は、向上した品質ほどに上昇していないので、ボルドーの多くの格付けシャトーがつけている途方もない価格を嘆いている読者は、キルヴァンを見直した方がよい。 
~一般的な評価~ キルヴァンは1990年代半ばから著しくよくなった。長年にわたって期待を裏切ってきたこのシャトーは復活し、少なくともその地位にふさわしいワインを、最上の時には三級に比肩するワインを毎年のようにつくっている。価格は依然としてリーズナブルである。力強さとエキス分がスタイルのワインである。「マルゴー特有のフィネス」が現れてくるかどうかは時の流れが教えてくれるだろう。
 
平均年間生産量:8〜12万本
畑 面積:48ha、平均樹齢:27年、植樹密度:8000本/ha、平均収量:48hl/ha
育成:6~7日間の発酵と3週間のマセレーションは温度管理されたステンレスタンクで行う。熟成は新樽30~50%で18ヶ月。卵白で清澄し、軽い濾過を行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン40%、メルロー30%、カベルネ・フラン20%、プティ・ヴェルド10%
所有者:シレール家