Chateau Gruaud Larose
シャトー・グリュオー・ラローズ
熟成により真価を発揮するグランヴァン
濃い色合いと豊かな果実味を持ち、熟成によりビロードのようなきめ細やかさが現れます。ポイヤック的な堅牢で重厚なスタイルと、マルゴー的な優雅でフィネスのあるスタイルが見事に調和。隣接するシャトー・ラグランジュ同様、豊かな果実味を感じさせる重厚な風味で、熟成するとビロードのようにソフトなまろやかさを身にまとう魅力的なワインを造り出します。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
グリュオー・ラローズは何十年もの間サン=ジュリアンで最も重々しく、内向的なワインを生産してきたが、新しい所有者であるジャック・メルローのもとでは、より品のよい、それほど朴訥でなくタニックでもないスタイルのワインをつくる傾向にあるのは明らかだ。メルローはこのシャトーに多額の資金を投入し、66ある畑の区画それぞれについてのすべてのデータをコンピューター化した。また、高価な排水システムも導入した。私は最近の醸造方針が続くことを期待している。生産量は多く、品質は一貫して高い。2000年、1990年、1986年、1985年、1983年、1982年、1961年のようなヴィンテージでは、グリュオー・ラローズは一級相当の品質のワインを生み出している。美しいシャトーだが、河寄りではなくサン=ジュリアンの高台にあり、メドックを訪れてもサン=ジュリアン=ベイシュヴェルの町の幹線であるワイン街道(県道2号線)から県道101号線に入って西進しないと見えないだろう。
グリュオー・ラローズを批判する人はあまりにずんぐり、がっしりしすぎていて、重々しすぎると思ったのだろうが、あらためて飲み直してみるとよい。前よりもフィネスとエレガンスの増したワインになっているはずだ。
~一般的な評価~
ここはサン=ジュリアンで最も重々しく、内向的なワインをつくるシャトーかもしれない。1990年代半ば以降、よりしなやかでエレガントなスタイルになってきているのだが、残念ながら、ヴィンテージによってはいまだに果実味や中身に比べてタンニンが多すぎるようだ。事実、最近のグリュオーにはムラがある。出来のよい時はこのシャトーの血統に恥じない、しばしばそれ以上のワインをつくるのだが、そうした偉大なワインの翌年に、過度のタンニンと硬い構造の感じられるワインを生産してしまうことがあるのだ(例えば1998年と1997年、1994年と1993年など)。長期熟成できる(すなわちタンニンが完全に溶け込む前に、果実味が失われてしまわない)グリュオー・ラローズを探している人は、ヴィンテージを選ぶ時に気をつけたほうがよい。価格は、たいていの二級シャトーと同等である。
平均年間生産量:22万本
畑 面積:82ha、平均樹齢:40年、密植度:8500~1万本/ha、平均収量:50~60hl/ha
育て方:発酵は土着酵母を使って31~33℃で行い、とマセレーションは温度管理されたコンクリートと木製の槽で21~35日間で、ポンピングオーバーは1日2回。収量の半分は樽内マロラクティック。。熟成は毎年3分の1ずつ更新される樽で16~18ヶ月。清澄と濾過は公表されていない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン57%、メルロー31%、カベルネ・フラン7.5%、プティ・ヴェルド3%、マルベック1.5%
所有者:ベルナール・タイヤン・ヴァン(メルロー家)