Chateau Doisy Vedrines
シャトー・ドワジ・ヴェドリーヌ
かつてヴェドリーヌのシュヴァリエの爵位を持つ者が数世紀にわたってこのドメーヌを所有していたことがあり、この地にヴェドリーヌ名が残された。1855年に格付けされたシャトーが現在の所有者一族の手に渡ったのは、19世紀半ばのことである。
シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌの畑は、オー・バルサックにある粘土・石灰質の丘に位置し、ここでは伝統的な耕作がなされている。収穫は手摘みで複数回の選果(6〜8回)をしながら行われ、その後フレンチ・オークのみを使った樽で発酵と熟成が行われている。
最新技術と伝統的な作業を組み合わせることで、シャトー・ドワジー・ヴェドリーヌのワインは、フィネスと生命力にあふれるソーテルヌのプルミエ・クリュにふさわしい品質を獲得している。その生産量は年間36,000本である。
ワインは熟成の早い段階からバランスに優れ、食前酒として楽しめる、より古いヴィンテージであれば、食後に供されるとその真価を発揮するだろう。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
このバルサックのシャトーはバルサックの有名な2大シャトー、クリマンとクーテのすぐ南東というよい場所にある。残念ながら、甘口のドワジ=ヴェドリーヌは少量しか生産されておらず、多くのワイン愛好家がこのワインのよさを見出そうとしても見つけることが難しい。このシャトーで生産されている辛口の白や赤のテーブル・ワインにはもっと馴染みがあるのかもしれない。それはシュヴァリエ・ド・ヴェドリーヌと呼ばれる感じのよい商業的なワインで、白も赤も同様によい。甘口のドワジ=ヴェドリーヌのほうは、隣のドワジ・デーヌのワインよりもはるかにふくよかで、リッチで、強烈である。通常、ヴィンテージの5年から7年目がいちばんよいが、特に最高のヴィンテージでは、かなり長く熟成する。
このシャトーは、ネゴシアン会社、ロジェ・ジョアンヌをも取り仕切っている有名なカステジャ家によって運営されている。ドワジ=ヴェドリーヌは1840年以来カステジャ家のものである。カステジャは、品質の点で満足がいかないと見なしたヴィンテージをさっさとグラン・ヴァンからはずす数少ないバルサックの生産者の1つである。例えば1974年、1968年、1965年、1964年、1963年には、ドワジ=ヴェドリーヌのラベルで生産されたワインは1本もなかった。
~一般的な評価~
時に露骨であからさますぎるところもあるが、常に豊かな果実味があり、通常はお買い得なワインである。
平均年間生産量:6万本
畑 面積:17ha、平均樹齢:30年、植樹密度:6500本/ha、平均収量:17hl/ha
育成:発酵と18ヶ月の熟成は新樽60%で行う。清澄と必要なら濾過を行う。
ブレンド比率:セミヨン80%、ソーヴィニョン・ブラン15%、ミュスカデル5%
所有者:カステジャ家