Chateau Coutet

シャトー・クーテ

フランス:ボルドー ソーテルヌ地区特別第一級
 

古典の1つであり、クーテはエレガントとバランスのとれた甘さの模範

 卓越したワインで広く知られるシャトー・クーテは、1855年の格付けでプルミエ・グラン・クリュに認定されている。ソーテルヌの最古のドメーヌのひとつでもあるこのシャトーは、優れた建築遺産と格別なテロワールを有している。この畑の起源は13世紀の終わりか14世紀初めにあり、その証としてこのシャトーには、ギュイエンヌがイギリスに占領されていたころの軍事施設にあったものとよく似た塔が残っている。
 1世紀以上の間リュル・サリュス家の下にあったシャトーは、現在はフィリップとドミニク・バリーが運営しており、バロン・フィリップ・ド・ロッチルド社と技術と販売の両分野で業務提携を結び、同社に独占的に流通を委ねている。
 「ナイフ」を意味するガスコーニュ方言からも生まれたクーテという名は、切れが良く、フレッシュな酸味と生き生きとした印象のワインをほうふつさせる。熟成の早い段階では白い花やかんきつ類、蜂蜜やヴァニラを思わせるアロマの香り、熟成が進むにつれ貴腐ワインの特質がよりいっそう調和し、異国のスパイスや砂糖漬けにした果実の深いニュアンスをたたえた繊細なブケがもたらされる。
 
2015
シャトー・クーテ
¥7,100 品切中
2008
シャトー・クーテ 375ml
¥4,900
2006
シャトー・クーテ
¥9,800 品切中
2004
シャトー・クーテ
¥4,890 品切中
1999
シャトー・クーテ
¥7,160 品切中

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 クーテはバルサックで最大かつ、代表的なシャトーでもある。エレガントで、甘みと力強さを抑えたワインとして有名だ。概していつも出来がよく、スタイリッシュで、この地方で多数生産されている強烈な、超凝縮感のある、オークをふんだんに使ったワインよりも、おそらく様々な料理との相性もよく、柔軟性のあるワインであろう。
 クーテの信じられないほどリッチな、とろりとしたワインはごくわずかしかつくられないので、店頭ではめったに見かけないが、この地方の双璧の1つとして(もう1つは言うまでもなく、ディケムである)言及に値する。特定のヴィンテージにはキュヴェ・マダムと呼ばれる特別なキュヴェをつくっている。1997年から1943年の間でこれがつくられたのは、1990年、1989年、1988年、1986年、1981年、1975年、1971年、1959年、1950年、1949年、1943年だけである。2001年が出るらしいという噂が広まっている。およそ1200本、つまりたったの4樽しかつくられないので、万一見かけることがあったら、ためらわずに試してみるべきだ。クーテのキュヴェ・マダムは純粋なネクターである。1989年、1988年、1986年、1981年、1971年のヴィンテージのキュヴェ・マダムは、1921年のディケムとともに、この地方のワインで私が味わった最も偉大な甘口ワインを代表するものである。
 クーテのレギュラーのキュヴェについて言えば、マルセル・バリが1977年にこのシャトーを買い取った直後に生産されたヴィンテージは、軽くて平凡に思われたが、1983年以降のクーテは毎年のように一流のワインをつくってきた。実際、このシャトーこそバルサック地方の第一人者として、クリマンの歴史的役割に挑もうと、真剣そのものでワインづくりに取り組んでいるようだ。
 また、クーテは最初の4~5年がいちばん飲み頃の、極めて新鮮な、価格も魅力的な辛口ワインもつくっている。
 
~一般的な評価~
 この地方の古典の1つであり、クーテはエレガントとバランスのとれた甘さの模範である。
 
平均年間生産量:3~5万本
畑 面積:738ha、平均樹齢:35年、植樹密度:5600本、平均収量:13hl/ha
育て方:発酵と16~18ヶ月間の熟成はオークの新樽で行う。清澄も濾過も行う。
ブドウ品種:セミヨン75%、ソーヴィニョン・ブラン23%、ミュスカデル2%
所有者:シャトー・クーテSC/フィリップ&ドミニク・バリ
 
Coutet Cuvee Madame
クーテ・キュヴェ・マダム
 この特別なキュヴェは偉大なヴィンテージにしか生産されない。ブドウは通常2~2.5ha(樹齢35年)の特別な区画のものが使われる。収穫は1粒ずつ、極めて成熟して凝縮度が均一になったと考えられた時に行われる。通常は一度に収穫される。醗酵はオークの新樽100%で3~6週間。熟成は24ヶ月。瓶詰め時に清澄と濾過を行う。生産量は非常に少ない(ブレンドはシャトー・クーテと同じである)。