Chateau Cos d’Estournel

シャトー・コス・デストゥルネル

フランス:ボルドー メドック第二級(サンテステフ村)

 

東洋風パコダをデザインした異国情緒あふれる建物を持つシャトー

 ラベルに描かれる東洋風のシャトーで、98年までの所有者であったブリュノ・プラッツ氏もここに暮らしていました。名醸シャトーといえどもオーナーがシャトーに住まうことは珍しいですが、彼は畑つくりからワインの醸造に至るすべての工程を自分自身で管理し、常に期待を裏切らないワインを造ってきました。現在、第二級といえども第一級に勝るとも劣らないシャトーです。
 

 
 スーパーセカンドの筆頭コス・デストゥルネル。その歴史は、創始者であるルイ・ガスパール氏が「コス」と呼ばれていた、いくつかのブドウ畑を相続したことから始まります。革新者であり、商売の天才でもあったガスパール氏は、生産量の大部分をインドに輸出し、巨大な販売網を構築。インドで大成功を収め、「サン・テステフのマハラジャ(偉大な王)」となり、その象徴として、自らの醸造所にオリエンタル調のパゴダ(仏塔)を建立。現在でも彼の造ったパゴダは、西洋風シャトーが立ち並ぶメドックにおいて、異質の存在感を放っています。1855年には、サン・テステフの中で1番となるメドック格付け第二級の称号を手にし、名声は一層高くなります。2000年より経営権を引き継いだスイスの実業家ミシェル・レィビエ氏は、莫大な設備投資で発酵室や冷却システムを一新。シャトーを近代的施設に生まれ変わらせました。脈々と受け継ぐコス・デストゥルネルのDNAを継承しながら、革新的な醸造手法を取り入れてそのクオリティに磨きをかけ、名声を確固たるものとしています。
 


 シャトーが位置するのはサン・テステフの南端。古い言葉で砂利の丘を意味する「コス」という丘の上で、ポイヤックの北境にある、メドック格付け第一級シャトー・ラフィット・ロスチャイルドを見下ろす絶好の立地にあります。シャトーが持つ畑は91haに広がっており、そのうちの60%を占める丘の上部は、表土の砂利層が厚く水捌けが良いのが特徴で、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に最適。そして、約40%を占める粘土質の多い丘の下部には、メルロが植えられています。

2020
シャトー・コス・デストゥネル
¥33,000
2017
シャトー・コス・デストゥネル
¥29,100
2014
シャトー・コス・デストゥネル
¥21,250  品切中
2013
シャトー・コス・デストゥネル
¥20,600  品切中
2008
シャトー・コス・デストゥネル
¥26,200  品切中
2005
シャトー・コス・デストゥネル
¥41,250  品切中
Les Pagodes Cos
2014
レ・パゴド・ド・コス
¥7,400  品切中
2011
レ・パゴド・ド・コス
¥7,400  品切中
Blanc
2020
シャトー・コス・デストゥルネル・ブラン
¥26,200
2019
シャトー・コス・デストゥルネル・ブラン
¥26,200
2017
シャトー・コス・デストゥルネル・ブラン
¥27,300
 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 ブリュノ・プラッツの心のこもった指導のもとで、コス・デストゥルネル(驚いたことに、コスはsを「ス」と発音するのだ)はサン=テステフのなかでは最高の評価を得るまでになった。1982年以降、ここのワインは次から次へと当たりが続いており、ほとんどのヴィンテージで、メドックで最上のワインを生産するのではないかと期待できる。このシャトーは東洋風のパゴダのような外観で、ポイヤックとの村境のすぐ北、その著名な隣人ラフィット=ロートシルトを見下ろす丘の背にある。メドックものにしては珍しく、コスはブレンドに使うメルロの比率が高い(40%)ことと、新樽を使う比率が高い(60%~100%)ことで他と一線を画している。このメルロの比率はオー=メドックでは最も高い部類に入り、コス・デストゥルネルの最近のヴィンテージに目立つ、肉付きの良い、豊かな舌触りという個性を生み出している。
 経営者であり所有者でもあるブリュノ・プラッツは、新しいワイン技術を取り入れることに関しては前衛的だ。このシャトーは、ボルドーのメジャーなシャトーのなかでは数少ない、樽熟成の前と瓶詰め前の2度濾過(ろか)処理することを金科玉条としているシャトーのひとつである。ただし、プラッツは考え直そうとしているのかもしれない。1989年の瓶詰めの前には2度目の濾過処理を省略する決定をしている。その成果はおのずと明らかである。1950年代、1960年代とモンローズの後塵を拝してきたコス・デストゥルネルは、1980年代に入ってボルドーで最も人気の高いワインのひとつとなったのである。コス・デストゥルネルは、たとえば1993年、1992年、1991年といった難のあるヴィンテージで特に成功してきたことにも注目しておきたい。
 
平均年間生産量:30万本
畑 面積:64ha、平均樹齢:35年、密植度:9000本/ha、平均産出量(過去5年間):50hl/ha
育て方:ブドウは手摘みで、ワインづくりは伝統的な手法。発酵は約3週間。ワインをオーク樽に移すのは発酵槽でマロラクティック発酵が完了した後。1997年、プラッツ氏は初めてマロラクティック発酵を100%、樽としては小ぶりのオーク樽で行うことを決定した。ヴィンテージによって、新樽の比率は60%から100%の間で変化する。清澄処理も濾過処理も行われる。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロー40%