Chateau Ausone
シャトー・オーゾンヌ
サンテミリオンのトップシャトー
近年、アラン・ヴォーティエの肩入れによって、オーゾンヌはついにその神話的な地位にふさわしいく完全に復活しています。熟した黒い果実を思わせる香りが見事に凝縮されており、濃密なタンニン分もあまりにきめ細やかなため、一見穏やかな印象さえ与えます。長い熟成を楽しめる逸品です。
「オーゾンヌ」とは、ローマの詩人であり、紀元後320年〜395年の生涯をここで送ったアウソニウスという人物にちなんで名づけられました。現在はオーナーのアラン・ヴォーティエの見事な管理、運営のもと今も品質を向上し続けています。オーゾンヌは生産量が少ないため、入手するのは不可能に近いレア・ワインの筆頭です。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ボルドーを初めて訪れる人が、シャトーとブドウ畑を1ヵ所だけ見るのであれば、サン=テミリオンの中世の城壁の外にある丘陵斜面に位置するこの小さなオーゾンヌに限る。オーゾンヌは立地もすばらしいが、何よりもすばらしいのは、非常に古いブドウ樹が植えられた畑と、このシャトーのワイン・セラーとして使われている広い石灰岩の洞穴である。オーゾンヌは、ローマの詩人であり、紀元後320年~395年の生涯をここで送ったアウソニウスという人物にちなんで名づけられた。彼はこの地域(明らかにサン=テミリオンよりもボルドーに近い)にブドウ畑を持っていたことが知られている。ただ、ローマ時代の遺跡が残ってはいるが、アウソニウス自身がこのシャトーと何らかの関わりがあったかどうかは、非常に疑わしい。
歴史的な重要性や、またボルドー全域で最もワインづくりに恵まれた立地の1つであるにもかかわらず、1960年代、1970年代のオーゾンヌのワインの質は凡庸、もしくはお粗末とさえ言われた。
今、生産の極めて少ないオーゾンヌを商業的に入手することは不可能に近い。ポムロールの名高いペトリュスより希少なワインであるが、値段はペトリュスよりかなり安い。オーゾンヌのスタイルは、サン=テミリオンのもう1つの名高いシャトー、シュヴァル・ブランとは、まったく異なるものである。
オーゾンヌを所有していたデュボワ=シャロンとヴォーティエの2つの一族の関係は友好的なものであると思われていたが、内紛と、ワインづくりの考え方に関する絶え間ない摩擦が高じて、1990年代半ばに、ヴォーティエ一族はデュボワ=シャロン夫人からシャトーを買い取った。醸造責任者であったパスカル・デルベックにとって代わったのはアラン・ヴォーティエで、彼はリブヌルのミシェル・ロランから、醸造についてのアドバイスを得ている。デュボワ・シャロンとデルベックのワインづくりを支持する人々は、オーゾンヌのワインづくりが、より外向的で商業主義的なスタイルになったと文句を唱えるが、これは利己的な愚痴を持つ人々の愚痴でしかない。ヴォーティエとロランの管理下で最も顕著な変化は、天候が許せば収穫をやや遅らすこと、マロラクティック発酵をタンクではなく樽の中で行うこと、セカンド・ワインの導入とともにブドウの選別を厳しくすることである。新しい体制下でつくられた最初のワインは壮観な出来で、オーゾンヌのエレガンス、フィネス、そしてミネラルをベースとした並はずれた特徴のすべてを備え、さらにより凝縮感があり、強烈であった。事実、樽と瓶でのオーゾンヌのエルヴァージュは輝かしいもので、しかもこのワインは、デュボワ=シャロン/デルベック陣営の非難に反して、「オーゾンヌらしさ」を何1つ失ってはいなかった。私は、オーゾンヌが、才能あるアラン・ヴォーティエの指導のもと、より一貫性を備え、より高い品質を目指すものと期待している。
オーゾンヌを所有していたデュボワ=シャロンとヴォーティエの2つの一族の関係は友好的なものであると思われていたが、内紛と、ワインづくりの考え方に関する絶え間ない摩擦が高じて、1990年代半ばに、ヴォーティエ一族はデュボワ=シャロン夫人からシャトーを買い取った。醸造責任者であったパスカル・デルベックにとって代わったのはアラン・ヴォーティエで、彼はリブヌルのミシェル・ロランから、醸造についてのアドバイスを得ている。デュボワ・シャロンとデルベックのワインづくりを支持する人々は、オーゾンヌのワインづくりが、より外向的で商業主義的なスタイルになったと文句を唱えるが、これは利己的な愚痴を持つ人々の愚痴でしかない。ヴォーティエとロランの管理下で最も顕著な変化は、天候が許せば収穫をやや遅らすこと、マロラクティック発酵をタンクではなく樽の中で行うこと、セカンド・ワインの導入とともにブドウの選別を厳しくすることである。新しい体制下でつくられた最初のワインは壮観な出来で、オーゾンヌのエレガンス、フィネス、そしてミネラルをベースとした並はずれた特徴のすべてを備え、さらにより凝縮感があり、強烈であった。事実、樽と瓶でのオーゾンヌのエルヴァージュは輝かしいもので、しかもこのワインは、デュボワ=シャロン/デルベック陣営の非難に反して、「オーゾンヌらしさ」を何1つ失ってはいなかった。私は、オーゾンヌが、才能あるアラン・ヴォーティエの指導のもと、より一貫性を備え、より高い品質を目指すものと期待している。
~一般的な評価~
サン=テミリオン村の石灰岩の丘の斜面の有利な場所に位置するこの有名なシャトーは、1990年代半ば以降、アラン・ヴォーティエがたった1人で管理しており、今もオーゾンヌの品質をどんどん向上させている。彼の見事な運営のおかげで、このシャトーは50~100年も持つような、評価の基準となるようなワインを常につくり続けている。できる限りよいワインをつくための費用は惜しまず(例えば収量の低減、完熟したブドウの使用、タンクではなく小樽でのマロラクティック発酵など)、その結果、ここの並はずれたテロワールがよく表現されたワインができた。それでいて、昔のヴィンテージよりもリッチで、より好奇心を刺激されるようなアロマも持っている。方向性が革新的に変わったことから、オーゾンヌはその魂を失ってしまったという人は多かった。こうした声はサン=テミリオンの古株たちによる保守的な(従順なオウムのような)意見である。彼らは、このシャトーがカビ臭いアロマに特徴づけられた、枯れはてた、果実味に乏しい、中身のないワインをつくっていた半世紀前に、時計を戻したいという人たちである。しかし実際には、アラン・ヴォーティエの肩入れによって、オーゾンヌはついにその神話的な地位にふさわしいワインを生み出すようになったのだ。価格は高いが、生産量は極めて少なく、ボルドーのいわゆる「八大赤ワイン<訳注:ラトゥール、ムートン・ロートシルト、ラフィット・ロートシルト、マルゴー、オー=ブリオン、ペトリュス、シュヴァル・ブラン、オーゾンヌ>」の中でいちばん少ないシャトーである。
平均年間生産量:2万~2万3000本
畑 面積:7ha、平均樹齢:50~55年、植樹密度:6000~7800本/ha、平均収量:35hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理された木製槽で21~28日間。マロラクティックと19~23ヶ月間の熟成はオークの新樽で行う。澱引きは3ヶ月ごと。軽い清澄はするが、濾過はしない。
ブドウ品種:メルロー50%、カベルネ・フラン50%
所有者:ミシュリーヌ&カトリーヌ&アラン・ヴォーティエ