Agri-Coeur

アグリ・クール

日本:山形県

 
2022年から山形県上山市でドメーヌ・テッタ(岡山県)の栽培醸造責任者だった片寄広朗(かたよせ ひろあき)さんが、自社ワイナリーを立ち上げました。
 
農業は動植物など命を育み、人の命を支える生きる上で不可欠、そして環境保全に貢献する。そんな魅力的な農業を次の世代へ繋ぎたい。
 

 

ワイン造りの哲学 1 ~アートとしてのワイン~

ワインはその土地の歴史、土壌、気候、造り手の想い、嗜好などが より表現された飲み物。 その土地の土壌、鉱物などを感じさせるものは飲み物を超えた偉大な芸術作品だと思っています。 このようなワインは香り、味わいが奥深く、石、岩を舐めている ようで余韻が長い。そして様々な思考、情景を連想させ記憶から消えることのない永遠の芸術として脳に焼き付きます。 そんな Vin de Terroir(ヴァン・ド・テロワール)を造りたい。
 

ワイン造りの哲学 2 ~ワインへの接し方は人と同じように。~

ワインの扱いに困ったら、自分なら、人ならどうされたいかを考えます。よく考えれば人とワインの扱いって似ている。 ブドウにも当てはまっている気がします。
例えば
→人から何かを引き出すときは優しく接する。 発酵はゆっくり。
→成長は急がず時間を掛けて。 ピジャージュは優しく。
→触れるときは乱暴にではなく、そっと優しく。 液移動は自然に任せて。
→押して無理やり歩かせるのではなくその人のペースで。 熟成容器は自然で温かみがある物で。
→住まいは金属製の家より木や土などが心地よい。 添加物は必要な時だけ。
→病気になったら薬を飲む。病気じゃないのに薬は飲まない。
傾聴し、共感する。
ワインも同じ。視覚(液体の色、表面の泡、菌などの様子)、聴覚 (発酵中のガスの音など)、嗅覚(異臭などないか)、味覚(どんな味わいか)、触覚(果皮や液体に触れて温度を確認)を駆使し理解に努め、必要なことを施すだけ。
 

ワイン造りの哲学 3 ~私にとっての自然なワイン造り~

私にとっての自然なワインとは単に農薬、添加物が少ないワインではなく自然な反応をしてあげること。健康不良な時に薬を飲むのと同じく、ワインが不健全なら亜硫酸などを入れるのは自然な反応。熱が高ければ冷やす、寒ければ温める。 おかしくなっているのに何もしないことの方が不自然。システマチックにこの段階でこれだけ亜硫酸添加、発酵が終われば澱引き、瓶詰め前に清澄、濾過など決めつけない。造り手として考えや思考がなく機械的に作ることは自然とは言い難い。ワインの声を聴き、直観を頼りに。そしてフィードバックし改 善。ワインも人も短期間で理解し合うことは難しいかもしれない。長い年月をかけて分かり合えればいい。 その過程もまたワインの楽しみ。
こんな感じでワインに携わっています。 なかなか理想通りにはいきませんが少しずつ経験を積んで近づければと思っています。宜しくお願い致します。
 
片寄 広朗
 

 
 

Blanc
2022 デラ・ロジック
¥4,813
 

オーナー兼醸造家 片寄広朗(かたよせ ひろあき)
ワイン造りの歴史

 
渡仏1年目
2003年10月渡仏。語学学校へ
2004年6月頃、26歳。
Marsannayでの番線張りが初の仕事。その後Morey-Saint-DenisのFréderic Magnienの父、Michel Magnienで夏季の作業全般を経験。
 
渡仏2年目
ワインの学校BeauneのCFPPAに通い醸造研修をChâteau Corton Andréで行い、冬の剪定作業をPerrot-Minotで行う。
 
渡仏3年目
ブルゴーニュ大学の週一の醸造コースを受けながらPerrot-Minotにて畑、醸造に携わる。その後Gevrey-Chambertin中心に畑を持つ生産者の下で栽培経験を積む。
 
渡仏4〜6年目
シャンパーニュに移住しTarlantにて2009年までの3年間カーヴ責任者として醸造を中心に畑仕事にも携わる。この3年間はとでも充実した貴重な時間でした。 同じところで3年間じっくりブドウ栽培、醸造を経験することでヴィンテージの違いなどがとてもはっきりと感じ、毎年違うものができるのだと情報としてだけではなく経験として感じられた。そして地区、村そしてCruごとにテロワールが存在していることも感じることが出来たことは大変興味深かった。200樽に分かれる約50種の畑、品種違いのワインを2日にわたってテイスティングしブレンドを決める経験は気の遠くなる作業でした。
 
2013年〜2021年 岡山県新見市
tetta株式会社 (domaine tetta)
栽培、醸造担当としてワイナリー立ち上げ8ha中6haのワイン用畑(成木と新植)の管理。無施肥、減農薬の実施、害虫、害獣との共存。リスクを考えて年々減農薬し半減まで、亜硫酸極少量から無使 用へ。若木におけるグリーンハーベストの賛否を問いながらの栽培。健全果だけではなく、様々な菌を有する個性あふれるブドウからの個性あるワイン造り。 それぞれの品種の個性を表現するワイン造り。