Chateau Ste Michelle
シャトー・サン・ミッシェル
アメリカ:ワシントン州
サン・ミッシェル・ワインエステーツのカンパニー名を冠した同社の代表的なワイナリー。ワシントンにおける近代的ワイン産業のリーダーとして、シャトー・サン・ミッシェルでは管理する畑(総面積約1,420Ha)、ワイナリーでのサスティナブル(持続可能)な手法によるぶどう栽培を実践しています。ワシントン州の豊かな自然との共存を図りながら、健全なぶどうから品質の高いワインを生み出しています。
1912年バロン・フレデリック・スティムソンが農場を設立した場所に、シャトー・サン・ミッシェルはあります。1934年に設立したナショナル ワインカンパニーが合併により54年にアメリカンワイングローワーズを設立し、カリフォルニアワインのカリスマと言われるアンドレ・チェリチェフ氏のコンサルタントを受けて1967年にシャトー・サン・ミッシェルをリリース。1974年にリースリングのワインが『ロサンゼルスタイムズ』主催のテイスティングでトップ評価を受け、一躍全米の注目を集めました。
1983年にワシントン州初のAVA「ヤキマヴァレー」、87年に「コロンビアヴァレー」「ワラワラヴァレー」が認証され、米国内はもちろん世界中から同州ワインへの関心が高まる中、シャトー・サン・ミッシェルはリーダーとしての名声を確立していきました。 1998年にはトスカーナのマルケージ・アンティノリとのコラボレーションにより「コル・ソラーレ」を設立、99年にはドイツのモーゼル、エルンスト・ローゼン博士とのコラボレーションにより「エロイカ」をリリースするなど、常に前進し続けています。
1,420haの畑を所有し、サステイナブルな手法で栽培、ワイン造りを行っています。畑では土壌浸食を防ぎ、益虫を集めるために畝間に防虫や土壌改良効果のある草や穀物を植えています。また、農場で出た堆肥や醸造によって生じたブドウカスを畑で使うなど、自然の力を借りてより良い土壌作りをしています。日々畑をチェックし、病気や害虫が発生しないように予防対策を行っています。殺虫剤を使用しなくてはいけない場合は、植物からの抽出物など自然の力を生かした殺虫剤を使用しています。このような取り組みにより、コールド・クリーク・ヴィンヤードとカヌー・リッジ・エステートはL.I.V.E.(国際生物的防除研究機構)というサステイナブル農法の認証を取得しています。
シャトー・サン・ミッシェルは2つの醸造所を所有しています。1つはシアトル郊外ウッデンヴィルのスティムソン卿の邸宅を改築した白ワイン専用の醸造所、もう1つはワシントン州南部ホース・ヘブン・ヒルズに赤ワイン専用の醸造所です。 16年間ソノマでワイン造りを経験したボブ・バートゥ氏が2004年にヘッドワインメーカーとなり、赤ワイン醸造責任者にレイモン・マッキー氏、白ワイン醸造責任者にディヴィッド・ローゼンタール氏を任命し、シャトー・サン・ミッシェルスタイルを伝承し、ワイン造りを行っています。
醸造所でもSTARS(選択的酒石酸塩除去システム。冷却安定ではなく、電気透析による酒石酸塩の除去)の導入や、熱交換器使用により、使用エネルギーを削減したり、アメリカ国内に流通する瓶やダンボールのリサイクルを行うなど、サステイナブルなワイン造りを行っています。