Domaine Jacques Frederic Mugnier
ドメーヌ・ジャック・フレデリック・ミュニュレ
1863年設立。5代目となる現当主フレデリック・ミュニエ氏。若い頃は石油エンジニア、30歳になってワイナリーを引き継いだ後もフランスTAP航空の商業パイロットも兼業していたという異色の経歴の持ち主。隣にあるジョルジュ・ルーミエとは親しく、色々とアドバイスを受けており、両者のワインは共通項も多く、洗練された緻密な構成や溢れ出る気品と色気に満ちています。また化学肥料や除草剤などに頼らない畑の生態系バランスを熟知した造りはテロワールの素晴らしさを最大限に引き出しています。
除梗は100%。低温マセレーションはせず、木桶とステンレスタンクを併用して醸造を行う。木桶のほうが優っているという意識はなく、純粋に量的な問題で使い分けている。樽熟成期間はおよそ17ヶ月。新樽の割合はどのアペラシオンでも15〜20%と比較的少ない。このような造りから、さほど色の濃度は抑えられ、口当たり柔らかく、シルキーな喉越しのワインが生まれる。
ミュニエの評価はこの10年で急上昇しており、今やその実力はコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエやジョルジュ・ルーミエと肩を並べると言われる程。フランスで最も権威あるワインガイド誌、「ル・ギィド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス」2014年版においては最高評価の3ツ星を獲得しています。
ニュイ・サン・ジョルジュ PC クロ・ド・ラ・マレシャル・ブラン
[白:辛口]
ぶどう品種:シャルドネ
樹齢25年のピノ・ノワールの根に、シャルドネの穂木を挿したもの。2005年が初ヴィンテージである。ニュイの白というと重いイメージをもつが、このワインはシトラスの香りとピュアな酸がボディをタイトに引き締めるタイプ。粘着度は控えめで、むしろミネラルが感じられる。
ニュイ・サン・ジョルジュ PC クロ・ド・ラ・マレシャル
Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de la Marechale
[赤:ミディアムボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
1902年以来、ミュニエのモノポール。ただし、2003年まではフェヴレイに貸し出されていた。ミュニエの手に戻ってからワインのスタイルは大きく変わり、ニュイの南部クリマに見られるような武骨さはなく、しなやかでエレガントなワインとなっている。ラズベリーの果実香に、スミレのようなフローラルさが加わり、口中ではギスギスしたタンニンは感じられない。
シャンボール・ミュジニー
Chambolle Musigny
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
一級畑のレ・プラントと村名畑のコンブ・ドルヴォーをアッサンブラージュしたもの。前者が構造や深みを、後者が香りや軽やかさをワインに与えると、フレデリック・ミュニエはいう。しなやかで滑らかで、シルキーな舌触りと喉越しをもつ、シャンボールらしいシャンボールといえるだろう。
シャンボール・ミュジニー PC レ・フュエ
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ボンヌ・マールに隣接するフュエは、テール・ブランシュのボンヌ・マールの性格を受け継ぎ、ストラクチャーがしっかりしており、ミネラルも強い。果実はどちらかというと赤よりも黒であり、土っぽい性格もしばしば感じられる。色調は淡めでも果実味の集中度は損なわれず、余韻の長いワインとなる。
シャンボール・ミュジニー PC レ・ザムルーズ
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ミュジニーの下だけでなく、横にもレ・ザムルーズの区画を所有するミュニエ。ラズベリーや赤スグリなど小さな赤い果実の香りがフレグラントに香り、空中をふわふわ浮かぶような浮揚感をもちながら、口に含めば素晴らしい集中度とアフターのミネラル感。すべてにおいてエレガンスが感じられるミュニエのワインだが、中でもレ・ザムルーズのエレガントさは突き抜けている。
ミュジニー
Musigny
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ボンヌ・マール
Bonnes Mares
[赤:フルボディ]
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ボンヌ・マールのほぼ中央、縦に長細く区画を所有する。テール・ルージュとテール・ブランシュの面積はほぼ半々。したがって、緊張感と豊かさのバランスがとれたボンヌ・マールとなる。色調は他のシャンボールと比べると一段濃く、煮詰めたラズベリーやブラックベリーのニュアンス。タンニンのキメは細かいが、はっきりとその存在が感じられる。