2020 サッシカイア
テヌータ・サン・グイド
Sassicaia
Tenuta San Guido
ブラックベリー、カシス、プラムなどの紫色の果実の香りにスミレ、キノコ、土の複雑なアロマが重層的に重なり、バニラやファッジ、キャラメルといった甘いニュアンスも後から加わります。
溌剌とした酸、それと同じくらい感じられる果実の甘味と旨みが、繊細なタンニンにきれいに溶け込んでいます。飲み下した後も濃縮したエッセンスの余韻がとても長く続きます。
サッシカイアの2020年はエレガンスが最大限に引き出され、若いうちからも愉しめると賞賛されているヴィンテージです。7月には数日雨がありましたが、8月に入ると成熟が急激に加速。そのため、例年よりも早い9月の第1週から収穫を開始することで、凝縮感と高い糖度を備えた、高品質のブドウを収穫することができました。自然酵母で発酵した後、定期的にデレスタージュとポンピング・オーバーを行うことで、優れたアロマを抽出しフレッシュな酸の保持を実現。最終的に25ヵ月間に渡る熟成を経て、ブレンドされました。こうして造られたワインは生産者によると、「サッシカイアの美しいヴィンテージで、若いうちから酸とフレッシュさが際立ち、香りも風味にも素晴らしい複雑味が感じられる。サッシカイアの典型的なエレガントなスタイルをよく表している。」とのこと。各評価誌からの評価も高く、ジェームス・サックリングでは、「ふくよかでとてもジューシー。全体的にとてもサッシカイアらしさが表れている。3~4年後にはもっと良くなると思うが、若々しく生き生きとしていて、今でもとても魅力に溢れている。」、ワイン・アドヴォケイトでは、「より官能的で豊満、そしてより親しみやすいワインである。」と絶賛され、若いうちから愉しめることが示唆されています。
ヴィンテージ | 2018 |
原産国 | イタリア |
産地 | トスカーナ |
地域 | ボルゲリ |
アペラシオン | ボルゲリ |
生産者 | サッシカイア |
色 | 赤 |
容量 | 750ml |
ぶどう品種 | カベルネ・ソーヴィニョン85%、カベルネ・フラン15% |
味わい | フルボディ |
アルコール度数 | 14.5% |
ワインスペクテーター | 97 |
ジェームスサックリング | 97 |
輸入元 | エノテカ |
元祖スーパートスカーナー
若い頃から高貴なワインを造ることを夢見、とりわけボルドーワインを好んだという、故マリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵。この侯爵が領土であるテヌータ・サン・グイドに、シャトー・ラフィットのロスシルド男爵から贈られたカベルネ・ソーヴィニヨンを植えてみたことから、サッシカイアは始まりました。
醸造コンサルタントにはアンティノリの「ティニャネッロ」や「ソライア」、アルジャーノの「ソレンゴ」を造り出したジャコモ・タキスが携わっています。「質の良い葡萄が出来れば、コンサルタントのなす仕事はほとんどない」というタキス流の、徹底した土造り、葡萄造りからサッシカイアは生まれています。
サッシカイアは当初プライヴェートワインとして地元でのみ消費されていました。軽いローカルなワインに慣れていた消費者からの反応は決して良いものではなかったものの、毎年少しずつセラーに寝かせておいたワインが年とともに非常に良く熟成していることに気付いたロケッタ侯爵は、周囲のすすめもあり彼の革命的なワインメーキングスタイルを貫きます。そしてついに1968年、甥にあたるアンティノーリ社の当主ピエロ・アンティノーリ氏のすすめで販売を開始。これまでにないボルドースタイルのトスカーナワインは、瞬く間に世界のプレミアムワインの仲間入りを果たしました。
発売以来スーパー・ヴィノ・ダ・ターヴォラの草分け的存在のワインでしたが、1994年には法律が後追いする形で単独のD.O.C.(原産地呼称)、『D.O.Cボルゲリ・サッシカイア』を取得、次々とニュースタイルのスーパータスカンが誕生するなか、その確固たる地位を揺ぎ無いものとしています。
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