1983年に当主であるフィリップ・ナデフ氏により設立されたドメーヌ。本拠地はフィサン村にある。実家から受け継いだ葡萄畑の多くがジュヴレイ・シャンベルタン村の輝かしいアペラシオンばかり。さらにその畑の多くが40年以上の貴重な古樹である。
フィリップ氏は修行時代に5年間シャンボール村の名門ヴォギュエ家で経験を積み、畑の管理から醸造技術にいたるまで多くを学んだ。そんな彼のこだわりは、「良いワインを造ることが大切なのではなく、良い葡萄を作ることが大切である。さらにその葡萄はその年の気候やその土地の個性を反映したものでなければならない」というもの。しかも、「ジュヴレイ・シャンベルタン村のワインはいかなる状況においても、果実味と骨格が共にしっかりとした長期熟成できるワインであるべき」とも言う。栽培から、ボトルに詰めるまで、細かな作業、たゆまぬ努力、忍耐、そして溢れ出すワイン造りへの情熱を熱く語る真面目なヴィニュロンである。
栽培においては、化学肥料を一切使わぬ有機農法を実施しており、有機農薬は必要最低限だけ使用し、除草剤は一切使わず、年に数回の鋤起こしを行う。醸造は、100%除梗の上、7~10日間の低温マセラシオンを行い、発酵温度も十分に管理する。新樽比率は25%~100%(収穫年やアペラシオンで異なる)、約17ヶ月の樽熟成後を経て、清澄もフィルターがけも行わずに瓶詰。
Rouge