2019  ロッシュ・オー・モワンヌ・クロ・ド・ラ・ベルジュリー
ニコラ・ジョリー


Roche Aux Moines Clos de la Bergerie
Nicolas Joly

ビオディナミの伝道師と言われるニコラ・ジョリー氏のドメーヌ。クレ・ド・セラン畑の南西に位置する、南東向きの斜面に畑があります。栽培、収穫はすべて馬と手作業で行なわれます。平均樹齢35-40年。収量は既定の50hlより少ない25-30hl/ha。
柑橘系のタッチや白桃など甘美な果実の香りが感じられ、ニコラ・ジョリーのワインに共通する重厚感と伸びのある酸味が卓越した調和のとれたワイン。余韻に続く旨味がブドウのポテンシャルの高さを証明しています。
 
ヴィンテージ情報
2019年は全てが極端な年。4月末の霜で区画によっては30-40%の被害を受けた。開花は3週間と長くかかり、春の時点では収穫が長くなることが予想された。今までないほど乾燥し、病気対策も少なくすんだ。夏は42度まで上がる日が何日も続き、3ヶ月で30mmしか雨が降らなかった。ブドウの実が小さく、8月はブドウの成熟が一時止まったが、9月頭にわずかな雨が降り、成熟が進んだ。開花が長くかかったにも関わらず、前代未聞の均一的な熟度で、9月23日と早くに収穫を開始。この40年で初めて、収穫が1回で済んだ区画もあった。霜と乾燥の影響で少ない収量。貴腐は3-5%と少ない年。
 

ワインをよりおいしく味わって頂くために、飲む前に数回でデキャンティングして頂くか、24時間前に抜栓して頂くことをお勧めします。適温は14~15℃。栓を抜いた後3~4日すると、より一層開いて味わいが増していきます。

 
ヴィンテージ 2019
原産国 フランス
産地 ロワール
地域 アンジュ・ソミュール
アペラシオン サヴィニエール ロッシュ・オー・モワンヌ
生産者 ニコラ・ジョリー
容量 750ml
ぶどう品種 シュナン・ブラン100%
味わい 辛口
アルコール度数 15.0%
輸入元 ファインズ
 
 

 
 クレ・ド・セランは1130年にシトー派修道院により植えられた由緒ある葡萄畑で、現在はジョリー家が所有しています。この名醸畑はロワール川に張り出した険しい傾斜地にあり、栽培・収穫はすべて馬と手作業で行われています。そのワインはブルボン王家の時代から名高く、ルイ11世、ルイ14世がわざわざこの畑を訪れたといわれています。また美食の大家キュルノンスキーは「イケムと並ぶフランス5大白ワインのひとつ」と称えています。
 現在の当主であるニコラ・ジョリー氏は、1977年にニューヨークの銀行家としての生活から、母親の経営するワイナリーに戻りました。当初は農薬を使用していましたが、「ビオディナミ」と出会い、1980年から部分的に、1984年からすべての畑に導入しています。
 テクノロジーやテクニックに依存し、画一されたワインの氾濫を憂いたジョリー氏は、「おいしいワインである前に、その土地固有の繊細さを表現した本物のワインでなくてはならない。」というAOC(原産地呼称統制)法の原点への回帰を提唱しています。現在は世界中で栽培者への啓蒙や講演活動を行い、「ビオディナミの伝道師」とも呼ばれています。