Chateau La Gaffeliere

シャトー・ラ・ガフリエール

フランス:ボルドー サンテミリオン地区 Saint-Emilion Premiers Grand Cru Classe B
 

 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 堂々としたラ・ガフリエールの4階建てのシャトーとセラーは、サン=テミリオンの城壁のすぐ外側にお互いに向き合って建っている。歴史的には、マレ=ロックフォール家がこの土地を4世紀以上領有しており、ボルドー全体でも最も名高いワイナリーの1つである。当代の所有者、レオ・ド・マレ=ロックフォール伯爵は、乗馬の名手であり、ハンターでもある。祖先はノルマン人の末裔にあたり、ヘースティングズの戦いでその武勇と巧技をウイリアム征服王にたたえられたと言えば、うなずけるだろうか。
 ラ・ガフリエールはしかし、評価に戸惑うワインではある。1960年代のワインは出来がよく、1970年の印象的だった。ところが、1970年の後、ラ・ガフリエールのセラーから一流のヴィンテージが生み出されたのは、12年後だったのである。畑は石灰石、粘土質という恵まれた立地条件にあり、訪れるたびに醸造設備の清潔さ、伯爵とそのスタッフの献身ぶりには感心させられるばかりだったのに、なぜそんなことになったのか、納得がいかない。しかし、実際、1980年代半ば以前には、興奮させられるようなワインはほとんどなかった。ラ・ガフリエールが、サン=テミリオンの第一特別級という一流の地位に恥じないワインをつくるようになったのは、1980年代半ばからである。
 このシャトーが目指しているスタイルは、エレガントで優しさのあるワインである。スケールが大きくてタニックな怪物にはならないが、うまくいけば、一般にサン=テミリオンには珍しいほどのフィネスを備えたワインに仕上がる。
 マレ=ロックフォール伯爵は、やはりサン=テミリオンにテルトル・ドーゲというワイナリーを所有している。
 
~一般的な評価~
 1970年以前のヴィンテージは忘れていただきたい。ラ・ガフリエールはゆっくりと、しかし確実によくなってきており、その格付けの正当性を示している。独自のスタイルを持ち、華々しいニューウエーブのサン=テミリオンに慣れたテイスターを驚かせるだろう。しかし、ラ・ガフリエールは、独特の魅惑のある繊細な果実味のあるスタイルで、肉感的な軽さとエレガンスとほどよい香り高いアロマを持つ。ラ・ガフリエールに並はずれた素質や長命さを求めるべきではない(品質では、メドックの三級に相当する)。しかし、サン=テミリオンの第一特別級の中では、興味深い買い物となるだろう。
 
平均年間生産量:8万5000本
畑 面積:22ha、平均樹齢:40年以上、植樹密度:5800本/ha、平均収量:40hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレス槽で澱のミクロ・ビュラージュを行いながら、5〜6週間。熟成はオークの新樽で12〜15ヶ月。清澄と、軽い濾過を行う。
ブドウ品種:メルロー65%、カベルネ・フラン30%、カベルネ・ソーヴィニョン5%
所有者:レオ・ド・マレ=ロックフォール