ここ最近の品質向上が目覚しいシャトーですが、ネームバリューがいまひとつのため、とてもお買い得なワインです。
現当主のエリック・アルバダ・イエルヘルスマは、1997年にこのシャトーを取得して以来、大規模な設備投資を行い、また伝統と革新を巧みに融合し、本来の特質や高貴さを取り戻す努力を続けています。
9世紀に「アルサックの可愛らしい丘(テルトル)」と書かれたように、AOCマルゴーの中で最も標高の高い台地に位置しています。畑を無闇に拡大することなく、恵まれた52haの畑を守り、良質なブドウを産出、ワイン造りを行っています。醸造は、格付け3級のシャトー ジスクールの醸造チームが担当。発酵期間も樽熟期間もともに長く、コクのある豊かなタイプのワインに仕上っています。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
テルトルはマルゴーのアペラシオンで最も標高の高い台地にあり、サン=テステフの有名シャトー、カロン=セギュールの所有者だった故フィリップ・カベルン・ガスクトンが1961年に手に入れた。その当時、このシャトーは実に哀れな状態で、ガスクトンと彼の投資者たちはこれを建て直し、ブドウを植え替えるための大規模な計画に着手した。しかし12年前まで、このシャトーのワインは忘れられがちだった。飾り気はないがエレガントな砂色の二階建てのシャトーはメドックで最も辺鄙な地域の1つにある(アルサックから1kmと離れておらず、モンブリゾンのそば)。1998年、このシャトーはガスクトン夫人によってエリック・アルバダ・イエルヘルスマに売却された。彼は、近くにあるジスクールも同様に買収した。
珍しいことに、ここのブドウ畑は、多くのボルドーのシャトーのブドウ畑と異なって連続しており、区画が散在しているわけではない。一見、ドメーヌ・ド・シュヴァリエを彷彿させるものがある。1978年以降、最高のヴィンテージのものは、比較的深みのある色とあふれんばかりの力強さや豊かさを特色としているが、フィネスや、マルゴーワインの魅力となるあの極上の芳香には欠けるかもしれない。しかしながら、このワインは手頃な価格で売られ続けており、そのためにボルドーの格付けシャトーの中で最も過少評価されている。
~一般的な評価~
ボルドーの格付けシャトーで最もお値打ち品のワインでありながら、デュ・テルトルは1978年以来ずっとムラが無い。エリック・あるばだ・イエルヘルスマに買収されてから、このシャトーは劇的な変化を遂げた。ここ4~5年の連続したヴィンテージに生産されたワインがそれを証明している。価格はいまだにリーズナブルなので、消費者が注目すべきシャトーである。
平均年間生産量:20~25万本
畑 面積:52ha、平均樹齢:30年、植樹密度:7500本/ha、平均収量:45hl/ha
育て方:発酵は5~7日間、アセレーションは15~18日間。熟成は毎年60%が更新されるオーク樽で18ヶ月。卵白で清澄するが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン40%、メルロー35%、カベルネ・フラン20%、プティ・ヴェルド5%
所有者:エリック・アルバダ・イェルヘルスマ