Chateau Langoa Barton
シャトー・ランゴア・バルトン
レオヴィル・バルトンの弟分
多様性に富むサン・ジュリアンの土壌の中で主に砂礫質の場所に15haの畑を所有しています。以前は木製発酵槽を使用していましたが温度管理の的確さを優先し現在はステンレスタンクで発酵、醸しを行います。丁寧な栽培と醸造が織り成す古き良きボルドーワインの奥行きと緻密な味わいが感じられます。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ランゴア・バルトンは、印象的なほど大きなシャトーで、交通量の多い県道2号線(メドックのワイン街道)に面している。二級として名高いレオヴィル・バルトンもここのセラーでつくられている。ランゴア・バルトンもレオヴィル・バルトンもともに所有者はアントニ・バルトンである。アイルランド系である彼の一族は、1982年からボルドーに資産を持っている。
故ロナルド・バルトンと、そのハンサムな甥であるアントニは、批評家たちが妥協なしに伝統的で古典的と評する最高級のワインをつくってきた。両者ともにサン=ジュリアンのワインだが、独特のポイヤック的な性質と個性を持っている。同じセラーで、同じスタッフの手でつくらえるため、誰もが最初はいったいどう違うのかと疑問に思うのだが、ほとんどの年でレオヴィル・バルトンがランゴア・バルトンの品質を凌駕している。ともに大柄で、ブドウの完熟感や、凝縮感があり、スパイシーで、近隣で生産されるワインとは違い、若々しいしなやかさや、商業的なうけを狙った、率直な魅力に欠けることが多い。しかしながら、極めてよく熟成するし、飲み頃になったものは、サン=ジュリアン的な食欲をそそる、複雑な、上品なフルーティさと、ポイヤック的な西洋杉のような頑強さや雄々しさが組み合わされたワインとなる。
レオヴィル・バルトンもランゴア・バルトンも、レオヴィル・ラス・カーズやデュクリュ=ボーカイユほどの評判を得る事はまれだったが、祖父のロナルドがこの世を去った1986年以降、アントニ・バルトンがこのシャトーを全面的に管理するようになってからは変わりつつある。選別がより厳格になり、新樽の比率が増加したことは一目でわかるほどだった。こうした動きに加え、ワインは消費者が買い、飲むまでは売ったことにはならない。という頑固ですがすがしいほど現実的な視点が、ランゴア・バルトンとレオヴィル・バルトンの価格を非常に安いものにしている。とりわけ現在これらのワインの品質が「スーパー・セカンド」レベルに近いことを考慮するとそうである。
ランゴア・バルトンとレオヴィル・バルトンに対する唯一の苦言は、1979年、1974年、1973年、1971年のように、いくつかの軽めのヴィンテージでは同期の多くのワインほど成功していない味わいになることである。
~一般的な評価~
ボルドーで最も知名度の低い格付けシャトーの1つだ。所有者を同じくする、より誉れ高いレオヴィル・バルトンの陰に隠れている。あまりにもタニックで内向的なものになることが多く、ほとんどのサン=ジュリアンと比べて魅力に欠けている。全体的にはお買い得品なのだが、対象は忍耐強い消費者のみである・・・・あるいは、ギャンブラーか。
平均年間生産量:9万本
畑 面積:17ha、平均樹齢:30年、密植度:9000本/ha、平均収量:50hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理された200hl入りの木製槽で15〜21日間。熟成は新樽50%で20ヶ月。清澄も濾過も行う。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロー20%、カベルネ・フラン10%
所有者:バルトン家