Chateau Lanessan
シャトー・ラネッサン
古くから著名なシャトーで、その自信ゆえ1855年の格付け時にサンプルを提出せず、格付け対象外になっているシャトー。現在の品質と人気は格付けに匹敵しています。
カベルネ・ソーヴィニョン主体のワインらしい黒系果実と樽のタッチが感じられ、良く熟した柔らかいタンニンと果実味の共演が楽しめます。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ラネッサンはオー=メドックのアペラシオンの中でも傑出したワインの1つだろう。メドックのワインの格付けをやり直せば、おそらく五級シャトーの地位が真剣に検討されるワインである。
ラネッサンはサン=ジュリアンのコミューンのすぐ南、グリュオー=ラローズの広大なブドウ畑の反対側のキュサックに位置し、深みのある色と、たくましくてスケールの大きな枠組みを持つ、噛みごたえのある舌触りの、強烈な風味に富んだワインをつくっている。フィネスに欠けると言って非難されるかもしれないが、この弱点は、豊かでガッツのあるブラックカラントで埋め合わせしてもなお余りあるだろう。
40haの畑は、新しい作付けにより毎年面積を増やし続け、2万ケースを超える生産を上げている。シャトーを所有、経営するのはブーテイエ家である。1983年に私がある友人とともに味わった、快い1920年が証明するように、ラネッサンは極めて長命である。もっともこの1920年は疲れていたが・・・・・。最近のヴィンテージの最高の成功作には、2001年、2000年、1996年、1995年、1990年、1988年、1986年、1982年、1978年、1975年、1970年がある。ワインは力強く、独立した存在感があって、スタイルと個性において、どこかポイヤックの五級シャトー、ランシュ=バージュに似ている。
私はラネッサンには一貫性がないと前に指摘したことがある。ラネッサンの出来栄えにムラがあるのは(人がなし得る唯一の批判)、ワインの熟成に古い樽を使うというシャトーのこだわりに原因の一部がある。もしかしたら毎年の新樽比率が低いので、こんなにたくましいワインが生まれているのかもしれないのだ。ここを訪れたい人のためにひと言。1890年以来、同じ一族がずっと所有している美しいシャトーは、現在美術館として一般公開され、数々の馬車や馬具の収集を展示している。
平均年間生産量:25~30万本
畑 面積:40ha、平均樹齢:25年、植樹密度:1万本、平均収量:55hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理されたコンクリートタンクで12~18日間。樽内マロラクティック後、新樽5%に移して、ヴィンテージによるが18~30ヵ月熟成。清澄も濾過も行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロー20%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド5%
所有者:GFAデ・ドメーヌ・ブーテイエ