Chateau Giscours
シャトー・ジスクール
近年の品質向上が著しい第三級シャトー
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
240haを超すジスクールの広大なシャトー(ブドウ畑はその3分の1以下)は、ラバルドと呼ばれ、マルゴーのコミューンの最南部に位置している。一時期荒れていたこのシャトーは、1952年、タリ一族によって息を吹き返し、品質・名声ともによみがえった。ピエール・タリは1970年に経営権を強め、また、ボルドーの代表的なスポークスマンともなった。1980年台後半まで、彼は、ボルドー・ワインの価値の向上という1つの目標のもとにボルドーのシャトーをまとめる団体、「ユニオン・デ・グラン・クリュ Union des Grands Crus」の会長を務めた。
豪壮なジスクールのシャトーは、メドックでも最大級で、足を運ぶだけの価値はある。シャトーは、古い木々に覆われた美しい公園の中にある。1980年台前半にかけて多くのワインの質が低下したことを除けば(この時期のワインは商業主義があからさまで、たるんだ、やわらかいものだった)、ジスクールのワインは、深みのある、場合によっては光を通さないくらい濃い色や、あり余るほどの凝縮感、たっぷりのタンニンによる筋肉質でリッチなつくりが特徴になっている。また1970年台におおいては、「はずれ年」でも、ジスクールは品質の点でボルドーの大半の著名なシャトーのものを上回っていた。
1995年にタリ家はジスクールをオランダ人実業家のエリック・アルバダ・イェルヘルスマに売却した。彼の投資とジスクールへの情熱の結果、このミレニアムの最後になって、印象的なヴィンテージの三部作が生まれた。
~一般的な評価~
潜在的には最上のつくり手である(1975年と1978年がその例である)ジスクールだが、過去20~30年間の出来にはばらつきがあった。しかし近年、エリック・アルバダ・イェルヘルスマが監督するようになってから状況はよくなってきている。2001年、2000年、1999年は、ジスクールの史上最上の三部作である。こうした改良はあるものの、ジスクールの現在の出来栄えは四級レベルであり、価格政策は現実的である。
平均年間生産量:30~35万本
畑 面積:80ha、平均樹齢:30年、植樹密度:8300本/ha、平均収量:45hl/ha
育て方:6~8日間の発酵と、15~18日間のアセレーションは温度管理されたステンレスタンクで。熟成は毎年3分の1ずつ更新される樽で18ヶ月。卵白で清澄するが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン55%、メルロー40%、カベルネ・フラン5%
所有者:エリック・アルバダ・イェルヘルスマ