Chateau Durfort Vivens
シャトー・デュフォール・ヴィヴァン
品質が急上昇中
ボルドーは海洋性気候で雨も多く、1シャトーの畑もかなり広いことから、有機栽培を実施するのが非常に難しい土地だと言われています。ですが、デュルフォール・ヴィヴァンでは、自然な栽培を行うことで環境に良いことはもちろん、畑で働く人たちにも、そして飲んでもらう人たちにも優しい農法を目指し、また畑のテロワールを最大限に表現したワインを造るために、サステーナブル農法を実践してきました。
さらに、2009年から畑の一部でビオディナミ農法を始め、毎年ビオディナミの区画を増やし、2011年には50%、そして2013年からは100%ビオディナミでブドウを栽培しています。
これは左岸の格付けシャトーでは、ポンテ・カネ(ポイヤック)、クリマン(ソーテルヌ)に次いで3番目。ボルドー全体ではこれらに加えてパルメ(マルゴー)、フォンロック(サン・テミリオン)を含めて5シャトーのみがビオディナミ100%実践です。
ビオディナミを始めたことで、ブドウとワインに大きな変化が現れました。2009年にビオディナミを始めた時、ビオディナミとそうでない区画を比べてみると、ビオディナミの区画の葉の方がより濃い緑色をしていたり、葉が太陽に向かって上を向いているなどの変化が見られたのです。そしてビオディナミになったことで、よりクリーンでピュアな凝縮感のある、そしてよりミネラル感を感じるブドウが採れるようになりました。醸造家のジェローム・エランヴァル氏曰く、「根と土の間に農薬の膜がない分、土壌のミネラルをより吸収できるからだろう」とのことです。
2016年にビオロジック認証取得、その後ビオディナミの認証取得予定
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
マルゴー村の入り口に忘れられたように建っているこの二級シャトーは、ゴンザーク・リュルトンが所有している。デュフォール・ヴィヴァンのブドウ畑からは、もっとよいワインが生まれてもおかしくない。1961年から1981年にかけてのここのみじめな実績を引き合いに出してリュルトンを責めるのは不公平ではある。しかし、このブドウ畑はこのアペラシオンでも立地に恵まれており、現在、ブドウ樹は適当な樹齢に達している。ワインが、その理想とする姿よりも魅力に乏しく、頑強なのは、カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高い(オー=メドックではいちばん高い)ためではないかと、思わずにはいられない。
1982年以降のヴィンテージには改善が見られるが、それでもマルゴーのアペラシオンの長を務めるここの所有者は、今は21世紀だということに気付くべきである。グローバルなワイン市場はいまや血統よりも品質に基づいているのだ。ルシアン・リュルトンの息子で、まだ30代前半のゴンザーク・リュルトンは、若いボルドーのテイスティング基準を提案したことで評価されている。これは、彼のつくるワインは他の同格付けのワインと比べ、アン・プリムールのテイスティングでの評判がよくないことともおおいに関係があるだろう。彼は、他の同格のシャトーでは、サンプルとなるワインに手を加えたり混ぜ物をしたりして、最終的に市場に出荷するワインよりよいものを報道関係者に紹介していると考える傾向にあったようだが、これは間違いである。ここ20年間というもの、私は高格付けのワインについては、樽から瓶詰めする前のものを8~12回テイスティングした後で、あらためて瓶詰めされたものを買い、樽からテイスティングしたものと変わりがないか確かめてきた。が、そうした食い違いに遭遇したことはまれだ。多くの場合、瓶詰めされたボルドー・ワインは樽から出されたサンプルよりおいしいし、それがあるべき姿なのである。樽出しサンプルを提出しているすべてのシャトーの共通のルール基準をつくるべきだという考えには全面的に賛成だが、一方で、若きリュルトンは席に着いて、自分のつくった瓶詰めワインを他のボルドー・ワインと飲み比べてみるべきだということだ。どちらにせよこのシャトーは確かによくなってきているのだが、自分以外はみな不正行為をしているというリュルトンの若者らしい傲慢さと非現実的な意見は、根拠のないものに思える。デュフォール・ヴィヴァンの最近のヴィンテージは確かに彼の前任者たちがつくっていた凡庸なワインよりも優れている。しかし、感激するようなワインではない・・・・・・少なくとも私の味覚にとっては。
平均年間生産量:7万~7万5000本
畑 面積:20ha、平均樹齢:25年、密植度:6600本、平均収量:50~55hl/ha
育成:熟成は樽で12~18ヶ月(新樽は30~50%)。清澄も濾過もする。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン82%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド8%
所有者:ゴンザーク・リュルトン