Chateau de Fieuzal
シャトー・ド・フューザル
レオニャン村に位置するシャトーで、赤白共に生産を行い赤はペサック・レオニャンのクリュ クラッセに認定。300年におよぶ長い歴史を誇ります。特に20世紀後半からは積極的な設備投資を行い、品質が向上しています。
区画ごとに手摘みで収穫を行い、発酵には木樽、ステンレス、コンクリートタンクを併用。品種や区画、収穫されたブドウの状態によって使い分けています。老樹も多く、厚みがありバランスの取れた風味で熟成が期待できるワインを造り出しています。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ド・フューザルは、以前から目立たないシャトーの1つである。比較的古くからあり、この地域の住民からはきちんと認められていることを思うと意外なことだ。セラーは、レオニャンの町はずれ、ソカに向かう県道651号線に近い田園のなだらかな起伏の中にある。だが、このひっそりとたたずむド・フューザルは1980年代半ば頃に、著しくリッチで複雑なワインを生産するようになってから、一躍脚光を浴びるようになった。だからといって、古いヴィンテージの出来が悪かったというわけではない。古いものにもよくできたワインが多いのだが、最近のヴィンテージにあるような、まばゆい個性には欠けるのである。
ド・フューザルの品質向上におおいに貢献したのは、1974年にこのシャトーの経営を引き継ぎ、生産管理を熱心に行っているジェラール・グリブランである。1977年には温度調節機能付きのステンレス製の発酵槽が設置され、1980年代からはマセレーションの期間を長めにし、オークの新樽を増やすようになった。ド・フューザルの白ワインに画期的な進展があったのは1985年。一連のすばらしいグラーブの白の最初のワインがこの年、このシャトーで生まれた。グリブランも認める通り、ド・フューザルの名声の復活は、すでに引退した技術顧問兼醸造責任者、デュプイ氏の貢献によるとこらが大きい。誰の目から見ても完全主義者であるデュプイは、ド・フューザルでのワインづくりを指揮し、その並はずれた才能と柔軟性を遺憾なく発揮した。驚くべきことに、高品質にもかかわらず、なぜかその値段が高騰しないド・フューザルは、グラーブ全体を見渡しても、最もコストパフォーマンスがよいワインの1つである。
~一般的な評価~
ここのワインは常に良好であったが、1980年代半ばから相当よくなってきた。最良のヴィンテージでは、赤も白も、このアペラシオンの最高級のワインに匹敵する。しかし、一貫した高品質にもかかわらず、ド・フューザルのワインは同列のシャトーのもの(例えばパブ・クレマンなど)と比べて、とてもお値打ち品である。
<赤>
平均年間生産量:10万本
畑 面積:38ha、平均樹齢:30年、植樹密度:9091本/ha、平均収量:40hl/ha
育成:コールド・マセレーション。発酵(27℃)は温度管理された槽で行う。マロラクティックと18~24ヶ月の熟成は毎年3分の1ずつ更新される樽で行う。清澄はするが、濾過はしない。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロー30%、カベルネ・フラン8%、プティ・ヴェルド2%
所有者:ロクラン・キン
<白>
平均年間生産量:4万本
畑 面積:10ha、平均樹齢:30年、植樹密度:9091本/ha、平均収量:40hl/ha
育成:ダイレクト・プラス。発酵と16~18ヶ月の熟成の樽で澱に触れたまま(セミヨンは新樽50%、ソーヴィニョン・ブランは1年使った樽で行う)。清澄はするが、濾過はしない。
ブレンド比率:ソーヴィニョン・ブラン50%、セミヨン50%