Chateau Clinet

シャトー・クリネ

フランス:ボルドー ポムロール地区

 

 

 
ラボルド家が1999年に入手してミッシェル ロランにコンサルタントを依頼して以降、より洗練されたスタイルになり急速に人気を高めています。09年がワインアドヴォケイトで100点満点を獲得。ポムロールの伝説のシャトーのひとつとなりました。ポムロールでも最も遅く収穫を始めるシャトーのひとつで、完熟葡萄ならではのきめ細かいタンニンと、やわらかな果実味が特色です。
 

2013
シャトー・クリネ
¥14,500 品切中
 

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 ワインの品質についてよく言われ、人に訴える力のある議論の1つに、ワイン独自の個性を与えるブドウ畑を土壌という、魔法のような意味の言葉「テロワール」の概念がある。しかし、ポムロールの丘の頂に(ラフルールやペトリュスなどのスーパースターから3kmも離れていない場所でレグリーズ=クリネのすぐ隣)見事な「テロワール」を実際に持っているクリネは、高品質のワインをつくり得るとういことを、1人の献身的な人物が証明して見せた一例である。
 私が言っているのは、所有者のジョルジュ・オーディの娘と結婚した故ジャン=ミシェル・アルコートのことだ。1986年、アルコートはクリネの管理を引き継ぐと、4年もたたないうちに、この毎回期待を裏切るシャトーをポムロールのヒエラルキーの最高位に押し上げた。どのようにしてそんなことを成し遂げたのか。まず最初に、摘み取りの日程と、醸造と、エルヴァージュのスタイルに関して、有名なエノロジスト、ミシェル・ロランに全面的な責任が与えられた。これな、クリネができる限り遅くブドウを収穫するようになったという意味である。事実1987年からクリネは、ポムロールで最も収穫の遅い畑の1つとなった。次に、1982年のヴィンテージで初めて用いられた収穫機の使用が中止された。その結果、1987年には、このアペラシオンを代表するだけでなく、ボルドーでも最高の2つのワインの1つ(もう1つはムートン・ロートシルト)が生まれた。その後、栄えある1988年、有無を言わせぬ偉大なワインである1989年と1990年が続いた。アルコートは信念を持ってクリネのマセレーションに1ヶ月も時間をかけ、同時に、一時期は高かったカベルネ・ソーヴィニョンの比率を15%以下に引き下げた。しかし、ボルドーの誰もが驚いたことに、このシャトーはジャン=ルイ・ラボルドに売却された。ラボルドは静かにクリネの名声と、1990年と1989年に達成した品質の頂点を再構築しようとしている。
 
~一般的な評価~
 ここのところ数年間、クリネは、ほぼ100点満点であった1990年と1989年の品質には到達していない。しかし、このシャトーは最上のポムロールの1つをつくり続けている。ワインは概して理解し難く、若い時期にはとっつきにくい(幼児期には極めて閉じており、タニックである)。しかし、5~8年ほど後には美しい姿を見せてくれる。その時には、タンニンがほどよく溶け、最良のポムロールの特徴である純然たる気前のよさとまろやかさが現れる。
 
平均年間生産量:2万8000本
畑 面積:35ha、平均樹齢:40年、植樹密度:6600本/ha、平均収量:35hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理された小容量の木製槽で30~40日間。熟成はオークの新樽100%で18~24ヶ月。清澄も濾過もしない。
ブドウ品種:メルロー85%、カベルネ・ソーヴィニョン10%、カベルネ・フラン5%
所有者:ジャン=ルイ・ラボルド