Chateau Citran

シャトー・シトラン

フランス:ボルドー メドック:ブルジョワ級(オー・メドックAC)

 

1987年以降は第五級に相当する品質

 1932年にクリュ・ブルジョワに認定されたシャトー・シトランは、メドックの貴族所有シャトーの中で最古のものに入る。このドメーヌに対する最初の言及は1235年のもので、当時の所有者はドニサン侯爵であった。その後6世紀の間、この領地は後継者によって保たれていたが、葡萄畑はあったとしても小規模のものであった。本格的な葡萄栽培が始まるのは、19世紀にこの地がクローゼル家の手に渡るのを待たなければならない。
 その後はミアイエ兄弟、次いでセスラン家がこのドメーヌにほれ込み、所有者として強力な発展を推し進めた。日本企業(東高ハウス)によって9年間管理された後、1996年にテロワールと葡萄栽培にかける情熱の大きさで知られるメルロー家の手に渡り、シラトンは再びフランス人のものとなった。
 これ以降、シラトンはテロワールの秘めたポテンシャルを完全に表現するようになった。その先、最高のシャトーだけが立つことのできる舞台でシャトー・シラトンが格付けの仲間入りを果たすことがあるとすれば、それは100haの畑に広がる美しい砂礫土壌とその醸造設備によるものである。

2009
シャトー・ラネッサン
¥2,730 品切中
2008
シャトー・ラネッサン
¥2,240 品切中
2005
シャトー・ラネッサン
¥4,050 品切中

ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
 日本企業による買収から10年(1987年~1997年)で、このシャトー品質質は急上昇した。この成功にもかかわらず、シトランは精力的なジャック・メルローが経営するソシエテ・ベルナール・タイヤン社に売却さられてしまった。セラーの修復、新しい所有者の肩入れ、新樽の比率の引き上げ、選別をより厳密にしたこと(その結果としてセカンド・ワインを導入したこと)、そして総合的な優れた運営によって、最近数年間にわたってすばらしいワインを生み出すようになった。批判すべきことがあるとすれば、新樽の使用率を上げたために、ワインに唐突で、燻したような、ほとんど焦げたような特徴を与えたことだろうか。繊細さと微妙を好んでいた人たちは、この派手な力強さには気がそがれてしまう恐れがある。

 それでも、新しいヴィンテージは10年まではよく熟成するだろうし、シトランが以前に生産したどのワインにも増して著しく興味深く、心地よいワインである。伝統的で暗い感じのシャトー・シトランの瓶から、新しいデザイナーによる人目を引くラベルのついた瓶に変わったことで、値段がじりじり上がったことも指摘しておこう。ここはブルジョワ級のシャトーでも最上級の1つで、ワインはしばしば格付けシャトーをしのぐ。2000年、1996年、1990年、1989年といったヴィンテージは最高級である。
 
平均年間生産量:30万本、セカンド20万本
畑 面積:90ha、平均樹齢:28年、密植度:6660本、平均収量:43hl/ha
育成:発酵とマセラシオンは温度調節されたステンレス槽で24日間。熟成は新樽40%で12~14ヶ月。清澄も濾過も行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン58%、メルロー42%