Chateau Brane-Cantenac
シャトー・ブラーヌ・カントナック
品質が急上昇中
リュルトン家によって進められた栽培、醸造両面の品質改革により格付け2級の名を裏切らない品質を取り戻し、高品質なワインを造るための低収量へのこだわりと近年オーガニック農法でのアプローチを始めました。
味わいにまとまりがあり、早くから楽しめつつ熟成のポテンシャルも期待できる、いつ飲んでも裏切らない味わいです。
所有している90haの広大な畑のテロワールは秀逸で、特徴的な5つの区画があり、それぞれの土壌にあったブドウを栽培しています。一区画でも土質が異なるため、土質毎に収穫されたブドウは、2度の選果を経て、木桶、コンクリートタンク、ステンレスタンクを使い分けて発酵。その後ヴィンテージによって新樽比率60~70%のフレンチオークで18ヵ月間熟成されます。
そのため様々な特徴が調和し、気品も複雑味も兼ね備えたグラマラスなワインに仕上がります。絹のように滑らかで、しなやかな弾力性のある味わいがトレードマークです。
ロバート・パーカーJr.ボルドー第4版より
ブラーヌ=カントナックは、ボルドーでも最も名の知られたワインのつくり手の一族が所有している。リュルトン家が住む地味なシャトーは、ブドウ栽培の歴史上18世紀初めにまでさかのぼることができる。19世紀に、ワインの名前(バロン・ド・ブラーヌ)にもなったブラーヌ男爵が所有者であった頃のこのシャトーは、傑出した評判を得ていた。現在ムートン・ロートシルトと呼ばれるポイヤックの有名シャトーを所有していたこともあるブラーヌ男爵は、非常に尊敬されたワインのつくり手であり、強固な政治的人脈を持ち、1855年の格付けの際は、それほどの水準のワインを生産していないとの異論があったにもかかわらず、ブラーヌ=カントナックは二級に格付けされた。現在、グラーヴとアントル=ドゥー=メールにかなりのシャトーを持つリュルトン家は、ワインづくりにたずさわる一族としてはこの地区最大である。
メドック最大のシャトーの1つであるブラーヌ=カントナックの広大なブドウ畑は、カントナック村の西、ジロンド河からはかなり内陸に入ったところにある。生産量が多いため、ブラーヌ=カントナックのワインは世界中で商業的な成功を収めている。しかしながらここのワインは凡庸で、特に1967年から1981年にはそれが顕著だった。不思議なことに、この時期のブラーヌ=カントナックの仕上がりには明らかに難があるのに、大半のワイン評論家はそれを指摘せずに目をつぶった。このスランプ期にいちばん目立っていた問題は、ワインが軽すぎることと、農家の裏庭のようないやなにおいがしばしば感じられたことだ。推測でしかないが、こうした問題が起きたのは、ブドウの選別が不十分だったり、また、セラーの管理がずさんで非衛生的だったために違いない。
もっとも、出来のばらつきは、劇的に改善され、品質のレベルは回復した。ブラーヌ=カントナックのワインは、外向的で果実味に富み、やわらかなスタイルにつくられており、15~20年は持ちこたえるが、若いうちから気軽に楽しめる。
~一般的な評価~
かつては繰り返し期待はずれのシャトーだったが、復興期を迎えている。1990年代後半以降、ブラーヌ=カントナックは二級という格付けにふさわしい品質を取り戻し、1995年ヴィンテージからずっと、そのワインはますます強さを増している。幸い、若きアンリ・リュルトンは妥協をまったく許さないワインづくりに全力を傾けている。こうした傾向は比較的最近のものだが、ブラーヌ=カントナックは、ボルドー全体とは言わないまでも、マルゴーの新星の1つである。急上昇する品質に、価格はまだ追いついていないので、消費者は覚えておくべきだ! 2003年時点で、ここのワインは、ボルドーの格付けシャトーのワインの中で最もお値打ち品の1つである。
平均年間生産量:14万本
畑 面積:90ha、平均樹齢:25年、植樹密度:6600~8800本/ha、平均収量:42hl/ha
育て方:発酵は31℃、マセレーションは28℃に温度調節された木製槽で3~4週間。マロラクティックは、メルロは樽内、カベルネは木製槽で行う。熟成は新樽60%で18ヶ月。澱引きは3ヶ月ごと。卵白で清澄し、必要なら濾過も行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン65%、メルロー30%、カベルネ・フラン5%
所有者:アンリ・リュルトン