N.V. シードル・フェルミエ・ドゥミ・セック
ル・セリエ・ボール
Cidre Fermier Demi Sec
Le Cellier de Boal
発酵途中、糖と炭酸の残った状態でフィルターにかけ酵母を取り除き、発酵を止めてクパージュ(ブレンド)し、瓶詰めします。黄金色がかった濃い麦藁色、味わいはパインやシナモン、ハニートーストのニュアンスも感じる心地よい甘みと泡立ちが特徴です。
ヴィンテージ | N.V. |
原産国 | フランス |
産地 | ブルターニュ |
生産者 | ル・セリエ・ボール |
色 | 白 |
容量 | 750ml |
りんご品種 | ドゥース、アメール、アシデュレ、など15種類 |
味わい | やや甘口 |
アルコール度 | 4% |
輸入元 | ディオニー |
自家栽培による無農薬リンゴの農家製シードル
すべてにおいてナチュラル……そんなスタイルを貫くシードルリー(シードル醸造所)。リンゴの無農薬栽培はもちろんのこと、シードルの醸造でも酸化防止剤を一切添加しない。すべての過程をナチュラルに自家製でこなす。それが彼の信念であり、シェフだった頃からの夢だったという。
フランス西北端ブルターニュ地方の玄関口、レンヌから北西に40kmほどのところにあるコルンヌ村。その小さな村は、海の国を意味するコート・ダルモール県の内陸部にあり、緑のボカージュ(小さな森)に囲まれた沃野(よくや)が広がる、のどかな農村です。この地で「ル・セリエ・ド・ボール」の当主ミシェル・ブゴーと妻パトリシアが無農薬でリンゴ栽培を始めたのは、1984年。親から受け継いだ既存のリンゴ園に加え、畑を買い足しリンゴ樹を増やしました。彼らは、生態系に対してできるだけ介入をせず、自然にリンゴを栽培します。無農薬での栽培は、化学肥料や農薬を使う栽培よりも収量は約半分になるといいます。その頃、リンゴはすべて協同組合に売る生活でした。今でこそもてはやされる無農薬のリンゴ、当時は奇異の目で見られ変人扱いされることも多かったと彼らは振り返ります。2001年から念願のシードル醸造を開始し、現在では無農薬リンゴの1/3を自家醸造に用い、残りを販売しています。
シードル用のリンゴは、日本の食用よりも一回り小さなリンゴです。落ちた完熟リンゴは、ひとつ一つ手で拾い選果しながら収穫します。リンゴ園も今では、50ha程度まで広がり、樹齢4~23年の樹を約25,000本育てています。果樹園には、シードル醸造向けの品種ドゥース、アメール、ドゥース・アメール、アシデュレはもちろん、全15品種のリンゴの樹が植わっています。リンゴ園は、鳥や虫のさえずりが響きわたり、まるで小さな森のようです。
醸造所に運ばれたリンゴは、まず水洗いし汚れを落とします。リンゴ破砕機でゆっくり時間をかけて軽くくだき、苦みの原因となる芯や種の部分を取り除きます(除芯)。リンゴは品種別に圧搾機で優しくプレスし、果肉が含まれた状態の果汁を発酵タンクに入れ、約4ヶ月ゆっくり時間をかけて発酵させます。砂糖などは一切加えませんが、天然リンゴ果汁の糖分がアルコール発酵を引き起こし、発酵が始まると茶色に変色したリンゴの果肉(果帽)がタンクの上に浮いてきます。これは、デリケートな果汁が空気と接触し、酸化することから守る役割も果たします。リンゴ果汁はポリフェノールなどを豊富に含むため、澱(おり)が発生しますが、発酵途中に澱引きをして、果汁のみほかのタンクに移し変えます。酸化防止剤の添加は一切行わず、醸造もナチュラルに、フレッシュでおいしいシードルを造ります。